タンス預金というのは社会にとって何の役にも立っていないカネだが、タンス預金として眠っている金額は約60兆円もあると言われている。
今後も預金金利が上がっていくのであれば、「タンス預金から銀行口座へ」という流れになりやすい。(現時点ではまだまだ金利は低い)
タンス預金が銀行口座に振り込まれることによって金融機関の健全性に寄与したり、銀行が国債を購入しやすくなるといったメリットに繋がることが予想される。
銀行や保険会社といった民間が国債を買ってくれなければ政府は予算を確保できなくなってしまうため、金利上昇は金融システムの安定性と経済規模の維持に必要なのだろう。
(新紙幣発行もタンス預金あぶり出し効果がある程度あるらしい)
【参考】2024年9月12日の記事
長年の間、事実上のゼロ金利状態が続いていたこともあり、「銀行に預けてもお金は増えない」と考えている人もいるのではないでしょうか? その一方で、金融機関によっては「年0.2%以上」の金利を掲げているケースもあり、新しく口座を開設して金利が高い金融機関に資金を移動させたほうがいいのではないかと迷うこともあるかもしれません。
2024年8月時点の円預金金利は、三菱UFJ銀行とみずほ銀行の普通預金は「年0.02%」となっています。以前は「年0.001%」の金利が多かったのですが、日本銀行が2024年3月に公表した「金融政策の枠組みの見直し」を受けて、大手金融機関を中心に金利変更が行われています。 金融機関によっては、メガバンクよりも高い金利を掲げていることも少なくありません。例えば、「あおぞら銀行」の「BANK口座」を開設すると普通預金の金利は「年0.2%」となっているため、通常の「年0.02%」と比べると金利10倍の恩恵を受けられます。 では、金利が「年0.02%」と「年0.2%」の普通預金の口座では具体的にどのくらいの利息差が発生するのでしょうか。300万円を入金して10年間複利運用が行われると、「年0.02%」の場合は約6000円、「年0.2%」だと約6万円の利息が発生します。預入金額が大きくなるほど、利息金額は増えます。
直近で使わない資金があれば、できる限り金利が高いところに預けることを考える人も多いでしょうが、利息は全額受け取れるわけではありません。利子所得として扱われるため所得金額に約15%の税率を乗じた金額が源泉徴収されるので要注意です。
また、特定の口座に資金を集中させると、口座凍結や入出金トラブルで引き出せなくなるおそれもあります。リスク分散のためにも1ヶ所の口座に資金を集中させないことも大切です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/81d422ca7b86cc7fb99a485c9e7b32139463be70
【参考】2024年6月29日の記事
渋沢栄一が肖像の1万円札など20年ぶりとなる新紙幣の流通が7月3日に迫る。6月末までに国立印刷局から日本銀行の本支店に納入される新紙幣は約52億枚に上る見通しだ。国内の現金自動預け払い機(ATM)約18万台、自動販売機や両替機など約390万台を新紙幣に対応させる改修作業は膨大で、これに伴う費用は少なくとも5000億円と推計される。
前回2004年の改刷では、日本国内に流通するお札約71兆円の6割近くが、1年で新紙幣に入れ替わった。現在の流通量は約121兆円まで膨らんだが、その半分、約60兆円が「タンス預金」として眠っているとの試算もある。
コロナ禍を経て、現金を使わないキャッシュレス決済が増えたものの、国内決済の6割はいまだに現金が占める。日本人の現金への信頼は深い。
日本の国内総生産(GDP)600兆円弱の1割を占める規模と言われる「タンス預金」の行方も注目される。手元にためていた現金を銀行に持ち込み、新紙幣に替える動きが起こると見込まれるためだ。第一生命経済研究所の試算によると、前回2004年の改刷では、タンス預金の残高が一時、前年より7・5%減ったという。
ただ今回、タンス預金が消費や預金、投資として世の中に出回るかどうかは読みにくい。
東京都内の自営業男性(84)は、「銀行窓口で使い道を聞かれるのが面倒」といった理由からタンス預金を続けてきた。今は自宅に約200万円を置いている。「新紙幣に替わっても、今のお金は使える。預金しても利息はほぼゼロだし、両替する必要も感じない」と冷静だ。
ある信託銀行員は数年前、高齢の顧客から「自宅にある現金を取りに来てほしい」と頼まれた。タンスや金庫から、聖徳太子の1万円札の束や、湿った紙幣が次々と現れ、目を丸くした。1万円札の肖像が聖徳太子から福沢諭吉に替わったのは1984年。30年以上、しまい込まれていたようだ。行員は「デフレと低金利が高齢者のタンス預金を招いたのだろう」と話す。
日本銀行は3月、17年ぶりの利上げに踏み切った。マイナス金利政策を解除し、「金利のある世界」が戻りつつある。政府は1月に新NISA(少額投資非課税制度)を始め、国民に資産形成を促した。令和の新紙幣をきっかけに、塩漬け状態のマネーが息を吹き返すかどうかは、日本経済にも影響を及ぼす。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240629-OYT1T50024/