この相場をテクニカル(チャート)だけで見た場合、これまでずっと下値をサポートしてきたトレンドラインから現在、大きく上放れしており、2023年10月から2024年1月までの上昇で一気にブレイクアウトした状態になっている。

2023年10月の安値はトレンドラインから約3,000円分乖離している。

この動きはこれまでに見られなかった傾向と言える。

(これまでもあまり下がらずにほんの少しブレイクアウトしたことは何度かあったが、今回のように一気に大きく抜けた動きにはならなかった。)

(画像を差し替えました)

日経平均株価 チャート - Investing.com

 

(追記:2015年6月の高値20,952円をつけた時は、言葉の上ではあまり下がらずに大きくブレイクアウトしたと言えるが、その時はこの相場が始まって間もない頃であり、一気に大きく抜けたのではなく、約1年間かけて上昇した結果そうなっている。また、2024年1月の動きは新たな参加者による買いや、ジャンピングキャッチのような買いも入っていると見られ、この水準と状況にしてはこれまで以上にペースの早い勢いづいた買いであり、強気相場の終焉に差し掛かった動きの可能性がある。株が今までとは違うプレーヤーに引き渡されている動きなのかもしれない。「日経4万、5万」といった嵌め込み記事も目立つ。ファンダメンタルズ的に見ても、今後、景気後退リスクが非常に高いことを示す情報が多い。「ババ抜きよろしく強者から弱者の手へ、プロから一般投資家の手へと押し付けられるのである。」というリバモアの言葉通り、またそれが再現されるのだろう。2024/01/18)


この2012年から続くトレンドラインはコロナショックの時に一度だけ割ったことがあり、この時は2020年1月の高値24,115円から2020年3月の安値16,358円まで下落している。
この時の下落時の値幅は7,757円であり、これは2019年8月の安値20,110円から2020年1月の高値24,115円までの値幅4005円の約1.9倍になる。(厳密に言えば約1.9368倍)
もしその時と同じようなことが起きた場合、2023年3月の安値26,632円から2024年1月の高値35,839円(現時点)までの値幅9,207円の2倍下がるとすれば、日経平均株価は17,425円まで下がることになる。

1.9倍下がるとすれば18,346円になる。

(追記:1/18時点では高値が36,239円となっている。)

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(チャートで見ると、さすがに年内にここまで極端な暴落があるとは思えないが、リーマンショックを超える金融危機や核戦争でも起きればあり得なくもないといった感じなのだろう。普通に考えれば仮に暴落したとしても26,000円ぐらいのように思える。それはつまり、去年の安値ぐらいの水準ということになる。)

 

これはあくまでコロナショック級の大惨事になった場合の話であり、今年はそのようなことがなく、みんなが平穏に暮らせる安定した世界なのであれば(短期間に)そこまで急落することはないのだろう。
しかし、残念ながら既に戦争や大災害は起きてしまっており、今後も何が起きてもおかしくないような年明けとなってしまっている。
皮肉にも日本株は大災害の直後から急騰しているが、チャートと状況だけを見れば不自然で奇妙な感覚に襲われる動きになっている。

 

逆に、一部で言われているように日経平均株価が2025年のうちに50,000円まで上昇するのだとしたらこのようなチャートになる。


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【参考】2023年6月16日の記事

日経平均株価が勢いよく3万円台に突入しました。短期的な過熱感には注意が必要なものの、私は3万円台が割高な水準とは全く思っていません。2025年のうちに5万円到達も十分あり得ると思っています。

相場が勢いを増したきっかけは米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏(以下、敬称略)の日本株買い増し方針ですが、日本株が買われる理由は以前から強まっていました。バフェットの行動がその認知度を高めたのです。