ビタミン系のサプリメントの多くは害にはなっても有益になることはないと言われている。(マルチビタミン、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンE)
しかし、天然素材のサプリメントであれば(高価で消費期限が短いが)栄養素が吸収されやすく、添加物も含まれていないため、恐らく問題ないのだろう。
それ以外の合成されたものは化学式は天然素材の成分と同じであっても吸収されづらいらしい。
フィッシュオイルのサプリメントも酸化しやすいため飲まない方がいいと言われているが、酸化防止剤が添加されていたり酸化しにくいパッケージになっていれば問題ない。
酸化防止剤としてはビタミンEが使われていることが多いが、主成分ではなく酸化を防ぐ目的で微量に添加されているだけであるため問題になる量ではないはず。
フィッシュオイルのサプリメントはゼラチンのジェルになっているが、恐らくこれも酸化を防ぐためにやっているのだろう。
「非常に強力な皮膜形成能をもっているゼラチン。その皮膜は、ハードカプセルやソフトカプセル、コーティング剤などに利用され、内容物の酸化や吸湿による変質を防ぐとともに、刺激性薬品の服用を容易にします。」
カルシウムもサプリメントで摂取すると一時的に血中のカルシウム濃度が高くなりすぎてしまうため、毎日継続して飲み続けていると処理しきれないカルシウムが血管内部にこびりついて石灰化し、心臓が悪くなるとと主張する者がいるが、少量なら問題ないのだろう。
(2万4千人の中高年を対象にした11年間に及ぶ調査では定期的にカルシウムのサプリメントを飲んでいるグループは心筋梗塞のリスクが86%増加したというものがあるが、86%という数字が何を基準にしているのか不明であるためどういう意味なのかよく分からない。対象者を半分に分けて、サプリメントを飲んでいるグループ1万2千人の中の何人に心筋梗塞を発症した者がいたのかという具体的な数字の出し方をしているなら理解できるが、ただ漠然とサプリメントを飲んでいるグループは86%増加、飲んでいないグループは悪影響なしとだけある動画には出ている。サプリメントを飲んでいるグループの86%が心筋梗塞を発症したという意味ではないのだろうが、そういった誤解を招くような表現になっている。当然、調査対象が少ないほど信頼性が低くなるのだから、半分ずつに分けていないとフェアな調査にもならない。調査対象が少ないほど心筋梗塞を発症した人が少し含まれているだけで数字が上がってしまう。)
大量のカルシウムを摂取しても骨密度に違いは出ないという研究データがあるらしいが、これもカルシウムが不足しがちな食生活を送っている場合は少量であれば摂取する価値はあるのだろう。
また、メラトニンやアスタキサンチンといったサプリメントも飲む価値はない。
以前それらを飲んでいたことがあったが、メラトニンに睡眠導入効果はないし、アスタキサンチンに眼精疲労を改善する効果もなかった。
睡眠障害の多くはメラトニンが不足することにより引き起こされるのではなく、神経の高ぶりが主な原因。
アスタキサンチンが直接的に眼精疲労を回復させることもない。
それらは老化に効果があるとも言われているが実際には逆効果になると思った方がいい。
様々な抗酸化物質が健康に良いだとか若返りに効果ありなどと喧伝されていることがよくあるが、それも実際にはサプリメントなどで摂取しても何の効果もないことが明らかになっている。
サプリメントや薬などで若返るなどということは絶対にない。
むしろ高濃度であれば逆効果になることもある。
「抗酸化物質は、活性酸素に電子を供給し、自身は、酸化されるので、高濃度では、却って、酸化を促進させる危険性が考えられる」
以前、妙に見た目が若く見えるどこかの医者が果物の皮には抗酸化物質が多く含まれているから老化防止のために積極的に摂った方がいいですよなどとテレビ(NHKなど)で言っていたことがあるが、果物の皮には農薬が残っているし、サーチュイン遺伝子を活性化させるとされるレスベラトロールという成分について言っているのであれば、それは実際にはサーチュイン遺伝子を活性化しないことが判明している。
それどころか様々な障害を及ぼすという研究報告もある。
「これまでの研究においては、レスベラトロールの寿命延長作用は哺乳類では、高カロリー食を与えて短命化させたマウス以外では見られていません。この物質が食餌制限を模倣して抗老化作用を発揮しているという主張は、酵母・線虫・ショウジョウバエのカロリー制限による長寿化はサーチュインを活性化することによって起こるという報告に基づいていますが、哺乳類では成り立たないということになります。
なお、番組で紹介されていたアカゲザルを使ったカロリー制限研究では抗老化作用と見られる変化はあるもののサーチュインの変化に関する報告はありません。
番組ではカロリー制限食を摂取した被検者でサーチュイン遺伝子が活性化されたと見られるという実験結果が示されていましたが、明らかにサーチュインの免疫学的検出方法に問題があると考えられる結果であり、そのような事実は現在のところ、専門家の評価を受けた論文として学術雑誌に報告されたのを見たことはありません(2011年8月1日現在)。
なお、レスベラトロールはサーチュインの活性を高めるとされていますが、信頼に値する学術雑誌に活性測定方法の信頼性に疑問が示されていることも付け加えておきます」
「健常人を対象にした臨床試験で、毎日高容量(2.5 あるいは5g)のレスベラトロールを摂取した場合、数日後に腹痛や下痢などの症状が現れることが確認されています。また長期間過剰摂取したラット、イヌやウサギの腎臓と膀胱に障害が起こることが分かっています。さらに骨髄腫を対象とした臨床試験で、レスベラトロールを1日5gずつ摂取した患者24人中5人に腎障害がみられました。腎障害は、骨髄腫患者によくみられる合併症ですが、レスベラトロールがこれを悪化させる可能性が示唆されたため臨床試験は中止されました。
レスベラトロールは、スチルベン骨格という化学構造を有するため女性ホルモンあるいは抗女性ホルモン様作用が疑われています。スチルベン骨格を持つ代表的な化合物にジエチルスチルベステロール(合成女性ホルモン)があり、服用した女性に乳がんや卵巣がんが、服用した妊婦から生まれた子供に膣がんや性器形成不全が多発したことから使用が中止されました。レスベラトロールによる発がん性や生殖・発生毒性は、今のところ動物実験では報告されていませんが、乳がんや女性器がん、子宮内膜症などの女性ホルモン感受性疾患がある場合や妊婦あるいは授乳婦は、レスベラトロールの多量摂取を控えた方がよいでしょう。」
果物の皮にそれほど高濃度の農薬が残留しているわけではないのだろうが、わざわざ抗酸化物質の摂取のために美味くもない部分を無理して食べる必要はないし、ほんの微量しか抗酸化物質は含まれていないのだから健康効果も疑わしい。
見た目が異常に若く見える者というのは大抵は整形手術をしているだけなのだろう。
見た目が劣化した芸能人が整形手術をして復元する例はよくある。
基本的にはアンチエイジング系は詐欺だと思った方がいい。
サーチュイン遺伝子の活性化やテロメアが短くならないようにすることや活性酸素を除去することなどに強い関心を示すことは、むしろサプリメントなどの害に曝されるリスクを高めることになり、やはり逆効果になるのだろう。
下手にそのようなことを分かったつもりになっていろいろ試すのはやめた方がいい。
少しでもプラスになると思って余計なことを試すのはむしろ害になることが多い。
健康においてはマイナスを減らす思想の方がプラスを多く取り込もうとする思想よりも無難で正しい。
基本的にはサプリメントを飲んでいるから栄養補給が出来ているというのは誤った理解であり、野菜などの食物には未だ未発見の物質が多く含まれており、それらが人体に様々な好影響をもたらしているとも言われている。
また、サプリメントによる栄養素の過剰摂取は危険であり、適量であれば良いが摂りすぎると病気になることがある。
ビタミン、亜鉛、鉄分…野菜代わりにサプリを飲む人が知らない"根本的な間違い" そもそも全栄養素はカバー不可能 | PRESIDENT Online
※個人的にはカルシウムのサプリメント(ビタミンDとマグネシウム入り)、亜鉛のサプリメントはごく少量飲んでおり、サプリメントを全否定しているわけではない。
しかし、以前はかなりの種類、量を飲んでいたことがあり、そういう利用の仕方は問題あると思うようになった。
サプリメントには一日に必要とされる量の数倍~数十倍も成分が含まれていているものがあり、それを毎日飲むことで取り過ぎになってしまうのだろう。
つまり不足しがちな栄養素を少量取る分にはよく言われているような問題はないのではないかと思う。
【参考】
「予防どころか転移を促すという研究結果が出た」
「抗酸化物質は体にいいという考え方は根強く、癌患者に抗酸化物質を投与する臨床試験も行われてきた」という。
「しかし抗酸化物質を投与した患者がそうでない患者よりも早く死亡する事例が相次ぎ、そうした治験は中止された。今回のデータが示唆するところはこうだ──正常な細胞よりも癌細胞のほうが、抗酸化物質のおかげで元気になっているのだ」