※この短編小説はフィクションです

 

シンゾム共和国は世界第6位程度の経済規模の国ですが、裁判沙汰の多い非常に評判の悪い公共放送局がありました。

その公共放送局「Shinzom and Broadcast Association (S&BA)」は主に受信料収入に頼っている運営スタイルなのですが、公共放送局でありながら情報通信省や政府与党との強いコネがあり、また不祥事や犯罪者が多いことでも知られています。

そしてテレビを持っていようがいまいがお構いなしに、受信契約を結んでいない世帯へ外部に委託した悪徳業者を差し向け、様々な嫌がらせ行為、犯罪行為を繰り返し、トラブルが多発しています。

 

外部の委託業者はターゲットが引っ越しをしても自分が債権者であるという嘘を吐いて除票の申請をし、住所を突き止めるといった悪質なストーカー行為まで行っているようです。

あまりに執拗且つ悪質な犯罪行為に怒った一般市民はこれに対抗するためにガン無視作戦を決行するに至ります。

これはつまり、自分が契約していないのであれば外部の委託業者が訪問してきてもそれを追い払うのではなく、ただ相手にしなければそれでいいということに気づいた結果でした。

また、テレビを持っている世帯であっても、質の低い、面白くもない、見てもいない放送局のためにカネなど払いたくもないという人が増え、解約した上でガン無視作戦をどんどん実行に移し、ついにはボケ老人以外は誰も受信料を払わなくなったのです。

受信料は税金ではないのだし、契約者ではないのであれば強制徴収することなど当然できません。

本当にテレビを持っているのかどうかも部屋の中まで入らない限り証明もできません。

 

強欲なS&BAは今度はパソコンやスマートフォンを所有しているだけで受信契約を結ぶ義務があるなどと勝手な言い分を押し通す気になっています。

これは情報通信大臣からS&BAに対して地上波とネットの同時配信を要請したという形を取っていますが、情報通信大臣や所属政党に何らかの見返りがあってのことではないかという観測も広がっているようです。(票田になるなど)

当面の間は無料体験をさせ、しばらくしたら 「あなた、パソコンやスマートフォンを持っていらっしゃるのだから契約しなければなりませんよ」 と言ってくるわけです。

 

結局のところ、彼らは全世帯から一律にカネを取りたいだけであり、多くの人から必要とされていない、イラネーと言われているにもかかわらず、「皆が必要としている」、「法律で決まっている」 などという主張を執拗に繰り返し、皆に迷惑を掛けています。

しかも彼らがカネを取る根拠としているその法律は70年以上も前に制定されたものであり、その時にはまだS&BAしか放送局が存在していなかったために、放送の発展を助ける目的が当時にはあったという時代背景があるのです。

今ではS&BA以外にも十分に放送局も存在し、インターネットも普及しているのですから、誰もS&BAなど支える必要などなくなっているのです。

また、ほとんど誰も、S&BAを質の高い公共放送を届けているなどと思っていません。

彼らはそれを逆手に取り、大昔の法の悪用をして、ひたすら全世帯から契約を取ることに躍起になっています。

このような一般からの指摘に対し、S&BAは、「受信料は放送の発展を助ける目的で徴収しているのではなく、政府から独立し、営利を目的としていないことによるものです」などと主張しています。

しかし、彼らはまた、「公共の福祉と文化の向上に務めてまいります」という主張もしており、結局のところ、ほとんど誰も求めてもいないことを押し付けているにもかかわらず、自分達の身勝手な事業を維持する目的で受信料を徴収しているのです。(彼らはそれが設立の目的だとしている)

やはり、それは結局、「せっかく大きいお金が集まる仕組みがあるのですよ?」という邪な考えに基づくものだと言えるでしょう。

堕落した政治家もまた、その耳打ちに魂を売っているのです。

 

税金であればその世帯の収入によって税が免除されたり金額が少なくて済むという措置が取られますが、強欲なS&BAにはそういう道理が通じず、「全世帯から何が何でも取る」、「一律同じ料金設定」、「いくら貧乏だって払えない金額ではない」 という態度を崩しません。

これに対し、さらに怒った一般市民はS&BAのネット配信のことなど知らない、アクセスしたこともない、視聴する方法を知らない、視聴する手段を講じるつもりはない、といった新たなガン無視作戦を決行しました。

さらに、一度もS&BAのネット配信にアクセスしないようにすることで、アクセスログにも残らないため、敵はそれを証明できないはずだと考えた次第です。

 

また、「S&BAが映らないテレビ(チューナーレステレビ)」というものが販売され、大変好評となっておりますが、S&BAはこれを許しません。

チューナーレステレビだから大丈夫なんてことは通りません。

これからはパソコンやスマートフォンを持っているなら問答無用で契約しなさいというのが既定路線になっています。

しかし、自分がパソコンやスマートフォンを所有しているとしても、S&BAのネット配信をそれで見れるということを知らないと主張したり、やり方が分からないと主張したり、S&BAのネット配信を受信するために必要なアプリを入れないようにすることで、やはり敵は契約の強要をしてくることが難しくなるのではないでしょうか。事実、全員がそれを知っているはずはないのです。

パソコンやスマートフォンでテレビ番組を視聴することは、チューナーでテレビを受信するのとは異なり、電源ボタンを押すと番組が映るのではなく、視聴するためのアプリも必要になるため、パソコンやスマートフォンを持っていて、大手キャリアかMVNO(格安SIM)と契約しているからといって直ちに 「S&BAの放送を受信することのできる受信設備」 であると断じることはできないはずです

自分でそのアプリをインストールすれば受信できるだろという司法判断をまたしてくるわけですが、S&BAがそのアプリを強制的にインストールする権限を持っているはずはありませんし、アクセスすればログが残るわけですから、実際はインストールして視聴しているのに視聴していないという嘘を吐いてもバレるはずです。

つまり、受信料を払わずにちゃっかり視聴している人がいる一方で、真面目に受信料を払っている人もいるという不公平は起きません。

プリインストールしてあるブラウザでも視聴できますよと言ってきたとしても、どのURLにアクセスすればいいのか最初から皆が知っているわけでもないでしょう。国民全てが絶対にそれを知っているはずだという主張でもするのでしょうか。

現実としては、受信するために必要となるアプリを自分でインストールするわけでなければ 「S&BAの放送を受信することのできる受信設備」 とは言えないはずです

S&BAのネット配信サイトで登録をするかどうかはあまり重要ではありません。

 

シンゾム共和国の全世帯数は約5000万世帯あり、ホテル業なども数えると150万~200万室程度あるため、ざっと5200万契約は取れるという目論見になっています。

これらが一斉にガン無視するようになれば敵も観念せざるを得ないのではないでしょうか。

つまり、それだけの数を相手に民事訴訟を起こしたり、外部の委託業者を差し向けて嫌がらせ行為をさせたりすることは事実上不可能でしょう。

仮にまた民事訴訟を起こされて裁判で負けて財産を差し押さえる強制執行という流れになったとしても、テレビを持っておらず、パソコンやスマートフォンでも何のサービスの提供も受けていないのに受信設備を持っているという言いがかりで財産を差し押さえるということが本当に許されるのでしょうか。

シンゾム裁判所は狂っているのではないでしょうか。

 

様々な関係機関を巻き込むという手法は敵が得意とするところでもあったようですが、これからは敵が同じ手法で反撃される番なのかもしれません。

S&BAの放送信号を減衰するフィルターを使用してもそれを外して受信できる場合には契約義務があるというシンゾム裁判所の判例が出ているため、S&BAだけ見れないようにして他の放送局は見れるようにするということは、絶対にそのフィルターを外せないようにでもしない限り敵には通用しないようです。

現状では一般論として、S&BAが見れないテレビ(チューナーレステレビ)を購入する場合、他の放送局も見れないということになってしまいます。

敵は一般常識からかけ離れた司法判断により、他の放送局を道連れにしています。

つまり、S&BAがテレビ離れの元凶になっているのですが、民放各局はどのように思っているのでしょうか。

 

一つ提案なのですが、チューナー側でS&BAだけ受信できないようにすることが難しいのであれば、リモコン等でS&BAだけ映らないようにすることは容易にできるのではないでしょうか。

つまり、S&BAのチャンネルはどの地域でも10と11に固定されているわけですが、そのボタンを押しても何も映らないようにするということです。

リモコンの10と11のボタンの下に何も入っていない状態になっていて、押しても反応しないようにしたり、テレビ本体側の< >のようなボタンを押しても、10と11だけ飛ばすようになっていればいいのです。

それならばS&BAだけ映らないようにし、民放各局は映るという状態にできると思いました。

 

 

シンゾム共和国では集団ストーカーという犯罪行為が横行していることでも知られていますが、一番ピンと来るのはS&BAとその関連会社です。

犯罪組織である関連会社が何をしているのか知っていながらやりたい放題させていた側も当然同罪でしょう。

S&BAはちょっとブログなどに何か悪口などを書かれただけで名誉棄損で裁判を起こして損害賠償請求などをしてきますが、やはりただの公共放送局とは思えません。

S&BA地域スタッフと呼ばれる者達は間違いなくまともな人間ではなく、カネになることであれば何でもやるような奴らでした。

そのS&BA地域スタッフというのは、自分達は法律に書いてあることをやっていると主張していますが、S&BAの契約を取るためならどんな犯罪行為も許されるという法など存在しません。

S&BAはそういうことも分からないような悪質な犯罪者を長年にわたり利用しているのだから、S&BAに公共放送局を名乗る資格などない。

(S&BA地域スタッフというのが頻繁に訪問するようになってから、なぜか新聞拡張員が来なくなった。つまりS&BA地域スタッフとはそういう連中なのだろう。)