カテゴリー5のスーパー台風だった台風19号は、神奈川県箱根町で10月10日の降り始めから13日13時までの降水量は1001.5ミリだったのに対し、郡山市では10月11日15時~13日6時までの降水量が195.5ミリだった。
郡山市ではその程度の降水量で多目的ダムの下流域が3m程度水没し、広範囲にわたって水害に遭っている。
郡山~船引間が195.5~215.0ミリなのだから、その中間に位置する三春ダムの辺りも同じぐらいの降水量だったはず。
多目的ダムの下流域で甚大な被害が発生しているのに「ダムがしっかり水を溜めてくれた。治水に役立った。」などと本当に言っていいのかどうか。
また、千五沢ダムの下流域に位置する石川町の同期間降水量は219ミリだったが、ここは2m程度水没している。
福島県三春土木事務所
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/361981.pdf
(東京都の10日00時から13日24時までの総降水量は、西多摩郡奥多摩町小河内で610.5ミリ、西多摩郡檜原村小沢で649.0ミリ、八王子で427.0ミリ、青梅で404.0ミリを観測した。24時間降水量では、小沢627.0ミリ、小河内580.0ミリ。)
https://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/bosai/disaster/ty1919/ty1919_tokyo.pdf
期間降水量分布図(10 月 11 日 15 時~13 日 6 時)
https://www.jma-net.go.jp/fukushima/saigai/saigai_topics/saigaiji20191011-13.pdf
この台風は静岡県に上陸し、その後、東北方面に北上していったため、規模だけでなく進路もあまり見られないものだったが、降水量としては今後も十分考えられる程度のものだった。
せめて400ミリ程度は耐えられるようにしなければ東京以外の都市部は今後も同じように何度も水没することになる。
大型の台風だったが、なぜかこの時は西日本を避けるような進路をとり、180度回転するように曲がって移動している。
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2019/20191012/jyun_sokuji20191010-1013.pdf
国と県は阿武隈川の治水事業に今後10年間で1840億円の予算を投じる計画になっているが、完成するまでに間に合うのかどうか。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62918260R20C20A8L01000/
「計画降雨は2日間もしくは3日間雨量で設定されているが、最大24時間雨量と2日雨量は同程度で、今回の大雨では大部分が24時間程度に集中している。例えば、千曲川や阿武隈川では、2日間計画降雨量を超える雨が24時間で降った。
計画降雨量を超過しない河川でも、短期間に集中して雨が降ったことにより、被害が拡大した。一方で、堤防整備が追いついていない箇所で氾濫(はんらん)が発生した可能性がある。」