インフレは基本的に供給量が極端に不足した時に起きるものだが、物が潤沢に供給されている時にばら撒き目的で通貨発行量が異常に増えた場合、相対的に見て需要が供給を上回り、やはりインフレが起きる可能性が高い。例えば、国が全国民に毎年5000万円を銀行口座に振り込むということを永久に続けると約束した場合、皆、高い買い物をし続けることに繋がり、良い物であるほど品切れになり、良い物は供給不足に陥る。需要を吸収しきれなかった分が低品質な物へ流れることになるが、恐らくそれでも全ての需要を吸収できなくなる。つまり、「せっかく金持ちになれたのに何でこんな安物を買わなきゃならないんだ」という心理が働き、良い物の取り合いになり、低品質な物を製造している企業は価値が無くなっていくことになる。良い物だけを作る企業というのは限られているため、生産が追い付かず、インフレが起きる。しかし、俗にいうハイパーインフレという状況にまではならないはず。良い物を確保できた勝ち組と確保できなかった負け組が生まれる。

どれだけカネを持っているのかということに関しては価値を抱かなくなり、どれだけ良い物を持っているのかという価値観に移っていく。良い物が手に入らなければ、「カネは持っているのに使わせてもらえない」という事態に陥る。

これをやった場合、物凄い購買意欲を湧かせる効果があるが、非常にバランスを欠く経済になってしまう。