先日、義母が亡くなり 

告別式を行いました。

 

 

親族だけの小さなお別れの会。

義母のイメージの

紫色の花で彩られた祭壇が

とても美しくいい香り…

 

 

義母らしいお別れの会でした。

 

 

義母は品があって

凛として、優しくて。

 

 

「誰にも迷惑をかけることなく

逝きたいわ」

 

 

その言葉通り

朝の光に包まれながら

はらりと静かに舞い落ちる花びらのように

 

 

静かに息をひきとって

一つの人生を終えられました。




 

一通りの法要が終わり

義母の戒名について

僧侶が説明してくださいました。

 

 

「お母様は家族の光を受けて輝く、

優しい月のようでした」

 

「自分のことよりも

何よりも家族を大切にするお方でした」

 

「しとやかな様で正しいことを選び

徳を積んできたお方です」

 

 

こんな説明を聞き始めたら

最近めっきり涙もろくなった私は

はらはらと涙が止まらなくなりました。

 

 

 

 

泣きながら

「この涙はなんだろう」

 

 

なんとなくモヤモヤする…

悲しくて、切なくて

 

 

私の涙はどこから来るのだろう…

 

 

ハタから見たら

義母を失ったことへの悲しみや

 

 

生前の義母の家族愛に心打たれて

泣いているように見えたかもしれないけれど

 

 

それとは違う涙。

 

 

 

 

「もっと自分のために生きよう」

そう決めた私が

義母の戒名の説明を聞いたときに感じたのは

 

 

「引け目」そして「罪悪感」

でした。

 

 

お義理母さんのように

家族を優先させる

「貞淑な」女性の生き方をしていない私を

どこかで恥じて罰した自分が

いたのだと思います。

 

 

まだ、私をずっと縛ってきた信念が

残っていたということ。

 

 

小さな頃から正しいと教えられてきた

「自分より誰かの幸せを優先する」という信念。

 

 

「あぁ、まだ持ち続けていたんだな」と

気がつきました。

 

 

そして「お義理母さんは

自分のために生きられなかったの?」

という悲しみが

私の涙となってこぼれ落ちたのでした。

 

 

 

 

火葬場で義母の身体が

空へと還るのを待っている間

義母の妹さんと

義母の思い出話しに花咲きました。

 

 

妹さん、義母とはかなり歳が離れていて

子育てのタイミングが、少しずれていたそう。

 

 

夫が大学に入学し

義母が子育てに、ひと段落したころ

妹さんは船旅に誘われたそうです。

 

 

でも、妹さんのお子さんたちは

まだ小学生…子どもたちを置いて

泊まりがけの旅行はできないと思い

義母の誘いを断ったそうです。

 

 

断られた義母は

それでもめげずに、一人で船旅に出たようで

「ものすごい楽しかった〜!」と

帰ってきたそうです。

 

 

そして妹さんは義母のことを振り返り

「姉さんはこの旅をきっかけにかわった」と

話しました。

 

 

この一人旅を終えてから

義母は山登りやバス旅、

JR主催の街歩きウォーキング大会などなど

かなりあちこち動き回り

お一人様を楽しんでいたとのこと。

(時には義父も一緒だったようだけど)

 

 

泳げなかったのに

60過ぎてからプールにも毎日通っていたよね

と、義母のバイタリティ溢れる日々に

皆で笑いながら話しました。

 

 

うん、うん、そうかも^^

義母は日帰りバスツアーによく行って

(「今度行くのは行き先不明のミステリーツアーよ!」とか言って)

お土産を買って来てくれたし

 

 

「小さい」家庭菜園を

とても楽しんでいました。

 

 

お義理父さんとの生活を

「テキトー」にしつつ←私にはこそっと言ってたな^^

お義理母さんは結構、

やりたいように楽しんでたぞ!

と思い出しました。

 

 

そして、最後に妹さん 

 

 

「姉は子育てが終わって15年位は

すごく楽しめたんじゃないかな。

だから、本当に良かったと思う」

 

 

こんなふうに締めくくりました。

 

 

そして

「いつか、いつかと思って

やりたいことを先延ばしにしちゃダメよ。

身体が動かなくなる時は

いつやって来るのかわからない。

えりなさんも楽しんでね」

 

 

義母の面影が見えかくれする

優しい声と話し方で、妹さんにそう言われて

 

 

私は今度はほっとして

泣いてしまいそうになりました。

 

 

告別式で少し落ち込んだ私に

お義理母さんは妹さんを通して

メッセージを送ってくれたのかもしれない…と

思います。

 

 

 

 

告別式から数日後…

夫に「義母の戒名についてどう思う?」

と聞きました。

 

 

実は義母の戒名は

夫のお兄さん(お義理兄さん)が

僧侶に話したエピソードをもとにして

つけられたものなんだそう。

 

 

だからお義理兄さんのお義理母さん像が

映し出されたもの。

 

 

夫としては

「おしとやかか?」とは思ったけれど

まぁまぁ合っているんじゃない?という意見。

 

 

確かに、夫やお義理兄さんが

家にいた頃は、「お母さん業」を

すばらしく、遂行していたお義理母さん。

戒名のようなイメージが正しいのだろうなと

思いました。

 

 

でも!

お義理母さんは

今頃、天国で「うふふウインク」と

ウィンクしてたりしてと思うのです。

 

 

息子たちよ!

母は結構、やりたいこと

やってたわよ飛び出すハート

あなたたちには

わからないかもしれないけれどてへぺろ

 

 

って言っていそうおねがい

 

 

賢いお義理母さんだったから

きっと「家族のこと」と「自分のこと」、

お義理母さん的な正解の中で

バランスをとって

生きていらっしゃったんだろうなと。

 

 

それは

「家族第一です」って映えしつつの

自分を楽しませる生き方。

 

 

うーん…さすが奥が深いな…お義理母さん爆笑

私も私なりのバランスを見つけつつ

生きていきますね!



それから、それから…


「えりなさん、私の戒名を聞いて

落ち込むことなんてないわよ!

所詮、戒名なんて人間がつけるもの。

言わせておけばいいわ。

こっちの世界には関係ないの。

ふふふニヤリ


って軽やかに言ってそう…。



 

穏やかな表情で

大往生を成し遂げられたお義理母さん。

お疲れ様でした。

 

 

最期の最期まで

素敵なお義理母さんです。

ありがとうございます。

 



清々しい空に還っていかれました。