この間、テレ東「アド街ック天国」でやっていた八重洲特集の中で、紹介していた地蔵寺。なんでも役者にとって、良い役に巡り合えるという……。行ってみました。
日本橋西河岸地蔵寺教会所蔵の文化財
- 板絵着色お千世の図額 附 目録(中央区登録文化財)
板絵着色 お千世の図額
大正4年3月、本郷座で泉鏡花原作「日本橋」初演のおり、当時21歳の無名であった新派の俳優、花柳章太郎は、お千世の役を熱望し、劇と縁の深い西河岸地蔵堂(昭和24年、日本橋西河岸地蔵寺教会となる)に祈願しました。「日本橋」は檜物町(現、日本橋3丁目、八重洲1丁目)の花街を舞台とした、いわゆる日本橋芸者の物語で、お千世は登場する芸妓のひとりでした。章太郎は、この劇でお千世役に起用されて好演し、これが出世役となりました。
ここに所蔵される「お千世の図額」は、2度目のお千世役である昭和13年の明治座上演の際に、章太郎が奉納したものです。この絵を描いた小村雪岱は、「日本橋」の本の装丁や挿絵も担当した日本画家で、図額には章太郎と鏡花の句も添えられています。この「お千世の図額」は、地域にもゆかりの深いものとして、中央区民有形文化財に登録されています。(中央区教育委員会掲示より)