佐野海舟の件はどう考えるべきなのかとしばらく考えてて、キリアンに相談したら、強姦を傍観して通報せずに有罪判決を受けた、元アイルランドラグビー代表の話をしてくれた。日本でワールドカップが開催された時に、来日してプレーもしている。事件が起きたのはフランスで、懲役4年うち2年が執行猶予で、刑務所には送られず、2年間電子タグを足首につけてフランスに残ることを命じられた。傍観に加えて、この選手が所有していた道具が強姦に使われたというのも関係あるよう。この選手自身は行為には関わっていない。別の傍観者は執行猶予2年。実行犯は12-14年の実刑。

 日本のサッカー界が組織としてそういうことに選手が声を上げられる体質だとは思わない(佐野のことを苦々しく思ってる選手がいる可能性は低い)、そもそも選手たちの意識が性暴力に対して低いと推察される、かといってこの件に関わっていない選手に責任があるわけではないから、どう考えるべきなのか難しい。日本において性暴力に対する意識が先進国基準ではない中、サッカーが世界の高い基準に近いからと言って、サッカーの代表選手にだけ高い基準を要求するのも違うと思う。Jリーグなんて性暴力よりパワハラへの対処の方が断然厳しい印象。とりあえずの私の姿勢としては前ほど熱量を持って日本代表を応援することはないぐらいで、未だに考え中。そもそもサッカーは世界的にも人種差別にしか反対していないと思えるぐらい、人種差別反対以外のキャンペーンはたいしてやっていない。この前、同性愛嫌悪発言でアルゼンチン代表の選手がFIFAから出場停止処分を受けてたから、少しは変わってるようだけど、女性の人権に関しては全然。

 北アイルランドのクラブが件の選手と契約しようとした時に、批判が起こって契約は取り消されていたし、有罪判決を受けた時に所属していたクラブも契約を解除した。ただ、この事件の1年前に起きたアイルランドのラグビー選手たちによる集団強姦疑惑裁判では、北アイルランドで無罪が言い渡されていた。性暴力の場合、事象自体は発生してることがほとんどだから、起訴されていないから、有罪判決を受けてないからという線引きが出来るわけでもない。倫理的にどうなのかという問題が残る。有罪判決ではなかった北アイルランドの件では、憂慮を表明したスポンサーがいたし、スポンサー関係の見直しをすると言った企業もあった。強姦の傍観は日本では罪ではないけど、倫理的な問題は残るから、佐野海舟はその場にいただけだからよいということにはならないけど、日本の基準だと問題なしだと思う。

 以前書いた芸術家が💩だった時にどう向き合うべきかという問題に似てるけど、サッカーはチームスポーツだから、💩が紛れていても、他の選手に責任があるわけではないし難しい。

 

 佐野海舟の件に対する世の中の反応で、プロミシング・ヤング・ウーマンを思い出した。