七草がゆは、1月7日に食べられてきた日本の伝統食です。
お正月のごちそうで疲れた胃腸を休める意味があるとされます。
実はその背景には、草それぞれの成分による理にかなった働きがあります。
胃腸を「治す」のではなく「回復しやすくする」
七草がゆは、胃腸を強く刺激する食事ではありません。
消化を助け、粘膜を守り、負担を減らす構成になっています。
ここでは七草それぞれの成分と、胃腸へのやさしい作用を見ていきます。
せり|香りで胃を目覚めさせる、水分代謝を整える
せりには精油成分が含まれ、爽やかな香りが特徴です。
この香りが胃液分泌をやさしく促すとされています。
食欲不振や重だるい胃を、自然にリセットする役割を持ちます。
せりはカリウムも豊富に含みます。
体内の余分な水分排出を助け、むくみ対策にも役立ちます。
胃腸の循環環境を整える点でも、理にかなった草です。
なずな|胃粘膜を守る草、胃腸虚弱への伝統的利用
なずなにはフラボノイドやサポニンが含まれます。
これらは粘膜を保護する方向に働くと考えられています。
荒れやすい胃腸を落ち着かせる、守りの役割を担います。
また、古くから胃腸虚弱の回復に使われてきました。
刺激が少なく、体力が落ちた状態でも取り入れやすい草です。
七草がゆの「やさしさ」を象徴する存在と言えます。
ごぎょう|粘膜を引き締める働き、胃と喉を同時にケア
ごぎょうにはタンニンやフラボノイドが含まれます。
タンニンには粘膜を引き締める収れん作用があります。
胃腸の炎症寄りの状態を、静かに落ち着かせます。
ごぎょうはさらに喉のケアにも使われてきた草です。
消化管と呼吸器は、意外と影響し合う関係にあります。
全体を穏やかに整える点が、七草らしい特徴です。
はこべら|粘質物で守る、ミネラル補給にも
はこべらには粘質物やサポニンが含まれます。
粘質物は消化管の内側をやさしく覆う働きがあります。
刺激を和らげ、通過しやすい環境を作ります。
はこべらはカルシウムやマグネシウムも含みます。
胃腸の働きは、筋肉と神経のバランスに左右されます。
ミネラル補給の面でも、回復を支える草です。
ほとけのざ|苦味が合図になる、動かしすぎない刺激
ほとけのざには軽い苦味成分が含まれます。
この苦味が消化機能を穏やかに刺激します。
眠っていた胃腸に「そろそろ動こう」と伝える役割です。
刺激といっても、強く働かせるものではありません。
あくまでリズムを整えるための軽い合図です。
疲れ切った胃腸に適した、絶妙なバランスです。
すずな(かぶ)|消化酵素を含む、繊維はやさしく
かぶにはアミラーゼなどの消化酵素が含まれます。
炭水化物の消化を助け、胃の負担を減らします。
おかゆとの相性が良い理由の一つです。
かぶの食物繊維は比較的やわらかいのが特徴です。
腸を過剰に刺激せず、自然な動きを促します。
休ませながら整える、七草らしい役割です。
すずしろ(大根)|胃もたれ対策の定番、流れを良くする草
大根にはジアスターゼなどの消化酵素が含まれます。
胃もたれや胸やけを和らげることで知られています。
食べ過ぎた後の調整役として欠かせません。
大根の辛味成分には軽い抗菌作用もあります。
停滞しがちな消化管の流れを助けます。
詰まりを流し、リセットする役割を果たします。
七草がゆが胃腸を休める本当の理由
七草がゆは、成分だけでなく食事形態も重要です。
脂質が少なく、水分が多く、噛まずに食べられます。
胃腸が「頑張らなくていい状態」を作ります。
回復力を引き出す食事
七草がゆは、胃腸を治す食事ではありません。
回復できる環境を整えるための食事です。
身体の自己調整力を尊重する、日本らしい知恵です。
身体を休ませるという選択
現代は「働かせる」ケアが多くなりがちです。
ときには休ませることが、回復への近道になります。
七草がゆは
「胃腸を治す」食事ではなく
回復しやすい環境をつくる食事。
これは
オステオパシーが大切にしている
考え方ととても似ています。
身体は
無理に変えなくても、
整えばちゃんと応えてくれます🌿
七草がゆは、その大切さを思い出させてくれます。