まずはじめに、パーキンソン病は脳内でドーパミンという神経伝達物質が減少し、徐々に運動機能が障害されていく進行性の神経疾患です。
進行のスピードは様々ですが、多くは年単位でゆっくりと症状が進み日常生活もじわじわと制限されていきます。
はっきり言ってこの進行を止めてよくさせることは、クレニオセイクラル・オステオパシーでも無理です。ただ、今現在は、良い治療薬L-ドーパいうお薬でかつては手の施しようのなかったこの病気は、症状を改善させることが可能になり、余命も延びたとされてます。
では、クレニオセイクラルで何を改善させることができるのか?
一番の目的はパーキンソン病による自律神経障害の改善です。
内臓諸器官は、自律神経によって無意識のうちに調整されています。
その代表的な症状の一つが胃腸の働きの低下に伴う便秘です。
パーキンソン病の患者さんのほとんどが頑固な便秘を抱え、苦しんでいるといってもいいでしょう。抗コリン薬を服用している場合、その副作用として便秘が生じることもあるようです。
起立性低血圧もよくみられる症状です。自律神経は足の血管を自動的に収縮させて、脳の血圧が低くならないに調整しています。パーキンソン病の患者さんの場合、そうした血圧の自動的な調整がうまくいかなくなるため、立ち上がった瞬間に血管が急激に低下し、立ちくらみを起こすわけです。
このほか尿が出きらない排尿困難や頻尿、尿失禁などの排尿障害や、体温の調節障害によって、手足は冷えやすくなり、足にむくみが出ることもあります。また、体は汗をかかなくなる一方で、顔からはひどく汗が出て、脂ぎった顔になります。
精神症状については、次回に書きたいとおもいます。