…どうしよう

まさかこんな事になるとは…¿


みんなで会うのは別の日にして
2人だけで祝おうよ

と言えば
いいのかもしれないけど

久々にみんなに会える!って
さっきから上機嫌の姫


あんなに嬉しそうな姫に
そんな事言えるわけがないし…


かと言って
姫の誕生日は
俺にとっては1年でもっとも
重大な日で

その日だけは
2人っきりで祝いたいっ!




「翔ちゃん?
どうかした?
あ…ひょっとして日曜日、用事あった?
なら、無理しないで大丈夫だよ」



ちょっと沈んだような声


無理して笑ってるけど
俺が居ないのが寂しいんでしょ?



俺は貴方の事だけは
敏感なんだからね…


「違う、違う
何も用事はないよ
ただ、せっかく飲むのなら
家か何処かの店にしようか考えてたんだよ」

「なんだぉー
そっかー♪
なら、よかった❤️」


ホッとしたような顔で
笑う姫

何やってんだよ
俺は

こんな顔させたりして!


俺の欲望で姫を悲しませたらダメだよっ


姫の誕生日は
俺の中でもっとも需要な重大事項だけど

姫の気持ちを最優先にしないとっ!


俺は自分に言い聞かすように
何度も何度も心のなかで反復した








ーー姫の誕生日当日ーー



あーぁ

結局当日になっちゃったよ…


俺ってほんとちいせぇよなぁ


わかってんだよ?

姫がみんなに会いたいって事


なのに

心の何処かで

まだ

2人っきりで誕生日を過ごしたいって
感情が捨てきれないんだよぉ


ハァーっ…


ほんと
俺ってちいせぇわ…