一月の閑話休題です。

 

2025年1月のテーマ

「新年にもクリスティーを!」

 

でおすすめしてまいりました。

 

ミス・マープルしばりにしてみましたけど、どれを書こうか本当に悩む名作ぞろい。

それに、何といってもバラエティ豊かです。

「動く指」みたいにミス・マープルはちょっとしか登場しないお話もありますし、以前記事に書いた「カリブ海の秘密」みたいに海外のリゾート地が舞台のものもあります。

 

 

 

主人公というか、物語の語り手がミス・マープルではないお話もたくさんあります。ミス・マープルというキャラクターが、殺人事件という物語の舞台において衆目を集めるような存在ではなく、一見優し気なおばあちゃんなので、主役ではなくサポート役に回っていても自然な形で実力を発揮できちゃうんじゃないかなあと思います。

主役が別の人でも、そこはやっぱりミス・マープル物なんですよね。

ポアロ物では、語り手はポアロにごく近い人物であることがほとんどだし、ポアロはやっぱり主役。もしくは主役級です。

ミス・マープル物を続けて読んでいると、ポアロとの対照性をすごく感じました。

私にとってはどっちも好きな探偵なので、どちらかは選べませんけど。

 

ところで、マープル物を立て続けに読んでいたら、クリスティー沼にはまってしまって抜け出せなくなってしまったというのが今回のタイトルです。

スパイ物から始まって、ミス・マープル物(長編)を読破すべく先月から月10冊ペースでクリスティーばかり読んでいます。

ミス・マープル物は以前記事に書いたことある作品を後回しにしていたので、今読んでいるのを含めて後二冊残ってますが、読みつくしたらトミーとタペンスシリーズにいこうかななんて思ってます。

 

一度どころか何度も読んで犯人もトリックも知っているミステリーを、なぜ再び読みたくてたまらなくなってしまうのか。

ミス・マープルシリーズを読んでいて気づいたんですけれど、私はクリスティーのミステリーをもはや謎解きを主体として読んでいないのです。

事件をめぐってあらわになる人間関係だとか、追い詰められていく犯人の心理だとか、そういうドラマの部分を楽しんで読んでいるのです。

例えば、ミステリーでは探偵が真相を解明する材料となるヒントが伏線として物語の中に散りばめられていますよね。ミス・マープルは会話からヒントを探る名人なので、犯人のぽろっと漏らした一言が伏線になっていることがあります。

謎解き主体で読めば、"ここのこの発言が伏線だな"って思いながらそういう部分を拾って読む作業になっちゃうんじゃないかと思うんですが、私の場合、"この人がこう漏らしたってことは、もしかしたらこの時こんな事考えてたからじゃないかな"って分析したくなっちゃうんです。

クリスティーの作品って、そういう描写が細かくて、ある場面である人物の"様子がおかしい"というのを描くときに、

 

・ぼんやりしていた

・そわそわしていた

・ぴりぴりしていた

・びくびくしていた

・イライラしていた

・興奮状態だった

・妙にはしゃいでいた  などなど、

 

登場人物の性格とその時どんなことを考えていたからこういう態度だったというのを想像できるようにしてくれています。

 

クリスティーの登場人物はステレオタイプで人間味がないだとかいう批判もあると何かで読んだこともありますが、例えそうだとしても、物語の中での登場人物の描き方は見事だし素敵だと思います。お話の中ではそれぞれの個性がはっきりしているし、探偵が犯人の動機を分析する時も納得できます。

多分、私が長編好きなのも、ミステリーの場合、短編では登場人物の掘り下げをする紙数がなく、謎解きの色合いが濃くなってしまうからだと思われます。ドラマ成分少な目になっちゃいますもんね。

というわけで、まだまだ何度目かのクリスティー沼を満喫中であります。

 

さて、そろそろ来月のテーマとまいりましょう。

このところクリスティーばっかり読んでいるので、どうしようか悩んだのですが…。

 

2025年2月のテーマ

「映画って面白い!」

 

でおすすめしたいと思います。

ここ数年は、一年に4,5回しか映画館に行かなかったのに(配信で観るのが中心)、年末年始だけでもう3回行ってます。

近々もう一本観に行く予定。

家で配信で観た新しい映画もいい意味でびっくりさせられたり。

2025年は映画yearになりそうな予感がしています。

そんなわけで、比較的最近観た中で良かった映画をおすすめしたいと思います。

私なんかよりずっと詳しい方もいらっしゃるかと思いますが、覗いていただけると嬉しいです。(*^▽^*)