十月の閑話休題です。

 

2023年10月のテーマ

「映画を観て連想したクリスティー作品」

 

でおすすめしてまいりました。

 

クリスティーの作品にドはまりしていたのはかれこれ20年位前のことですが(クリスティー文庫が刊行されていた頃)、その後何度も読み返しているため、ふとした折に記憶がよみがえってきます。

もちろん、作品によっては一度しか読んでいないものもありますが。

クリスティー作品を原作にしたドラマや映画を観たりすると、関連作品を無性に読みたくなったりして、今月の記事なんかはすごく楽に書くことができました。自分の考えを整理して言語化するのって、私の場合結構労力がいるんですが、好きなものには言いたいことがあふれてきて、そこが楽だったというか…。

 

ところで、私の場合、好きな作品の映像化に関しては、自分の脳内イメージとあまりにかけ離れていると拒絶反応が出たりします。それなのに、ケネス・ブラナーのポアロのことは"もう、そういうもの"として受け入れており、続編を毎回期待しています。

それはなんでかなー…というのを考えてみた、というのが今回のテーマです。

ちなみに、日本でドラマ化されているポアロ物に関しても、私は割と肯定派で、ポアロをどんな人がどんな風に演じるのかというところに興味があります。そして、原作から取り入れられている部分やアレンジされている部分はどこか…なんて細かいところをみるのが好きです。

つまり、大好きなキャラクターであるにもかかわらず、ケネス・プラナーにとどまらず、ポアロのキャラクターが原作と違うことに対して割と寛容でいられるのです。

自分でもちょっと不思議な気がしていたのですが、最近その理由が分かったような気がしてきました。

 

私が脳内でポアロをイメージするとき、その姿はデビット・スーシェさんそのものだということに気づいたのです。

これは、たまたま他のブロガーさんが映画「ベネチアの亡霊」を観た感想を書かれた記事を読んだときに、デビット・スーシェさん主演のイギリスのドラマ「名探偵ポアロ ハロウィーン・パーティ」と比較されていたのが妙に頭に残っていて、ある時突然頭に浮かんだことなので、己のことながらびっくりしつつも腑に落ちたという不思議な経験でした。

 

ご存じない方に説明しますと、デビット・スーシェさんは、イギリスのドラマ「名探偵ポアロ」で長年主役のポアロをつとめておられた方で、ドラマの中での容貌、大げさな話し方に身振り手振り、ちょこまかとした歩き方など、これぞポアロ!という原作に近いポアロを演じられた方です。

私の中では原作のポアロに一番近いポアロだと思っていましたが、それだけではなかった。

私の中のポアロのイメージそのものだったわけです。

彼の演じるポアロのドラマは、クリスティー作品ドはまりの頃にレンタルビデオ屋さんでDVDを借りまくってみた後、付録にDVDが付いてくる雑誌が出ていた時に3年かかって集め、NHKで再放送があったときに自分でも録画してDVDに保存したくらいはまってました。

テレビ版と付録のDVD版とではポアロの吹き替えの声優さんが違うので、どうしても両方欲しかった。

この間に私の脳内で"小説のポアロ=デビット・スーシェ"の図式が出来上がっていたようです。

 

で、"小説のポアロ=デビット・スーシェ"だということがなぜ型破りなポアロを認めることにつながるのかと言いますと、自分の中の原型があまりに具体的ではっきりしているので、揺らぐことがないからです。

"他の方が演じたポアロは小説のポアロとイコールではない"という前提で観ているので、違いを楽しめるというわけです。

"ケネス・ブラナーのポアロ"はケネス・ブラナーの個性があって当然だし、"野村萬斎のポアロ(勝呂武尊)"は日本人であってもいい。

 

そういう意味では、シャーロック・ホームズも同じことが言えます。

私にとってのシャーロック・ホームズのイメージは、イギリスのドラマ「シャーロック・ホームズの冒険(邦題)」でホームズを演じていたジェレミー・ブレッドさんで固定されています。

世の中には色んなホームズがあるけれど、私の脳内では"ホームズ=ジェレミー・ブレッド"なので、そこを基準に違いを楽しめるというわけです。

 

そういう話で行くと、マープルはまだ確固としたイメージの役者さんに出会っていないので、ドラマを観てもちょっと不満が漏れることが多いのです。イギリスでは当然ミス・マープル物のドラマもありますが、あんまり観たいと思わないのはそのせいなんじゃないかと思います。

日本でもマープル物を日本版にアレンジしたドラマを何作か見ましたけど、主役が高齢の婦人ではなく、若くてきれいな女性になっていたりして、私には違和感がありました。

(「二夜連続ドラマ パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~」の探偵役(マープルにあたる役)は天海祐希さんでした。)

 

うまく言えないけれど、自分の中で基準がはっきりしているものに関しては、安心してブレや揺らぎを許容できるのかなと思います。

これも「人によっては違う感覚なのでは?」と思うので、あくまで私に関しては、ということを付け加えておきます。

 

さて、来月のテーマとまいりましょう。

 

2023年11月のテーマ

「いっぱいあるぞ!時代小説」

 

でおすすめしてみたいと思います。

 

先日書店で何気なく本棚を眺めているとき、突然、一般の小説と時代小説の棚が分けられていることが気になりました。

時代小説っていうジャンルの本がこんなにたくさんある!ということに気づかされたのです。

時代小説といってもファンタジーのようなものもあるし、捕物帖的なものもあり、歴史小説もあります。

私は時代小説に関しては雑食なところがあり、上に挙げたどのタイプのものも読んでいます。

縁がない方は本当に手を付けないジャンルのような気がしているので、割とメジャーなものをおすすめしたいと思っています。

ご興味ありましたら覗いていただけると嬉しいです。(*^▽^*)