10月の閑話休題です。

2022年10月のテーマ

「山村美紗再発見!」

でおすすめしてまいりました。

 

図書館ではもはや山村美紗作品には出会えないので、古本屋を回って作品を買い集めて読みましたが、本当に本屋さんでも在庫が少ない!

多くて3,4冊くらいしか置いてないケースがほとんどでした。

ネットで検索すると、キンドル(電子書籍)では買えて、今でも読めることが分かりました。

とすると、今でもファンが作品を購入する術はあるということです。喜ばしいかぎり。

 

ですが私は今でも断然紙の本派なので、紙で読みたい…。

電子書籍は目がちかちかしてダメなんですよね。

とりあえず山村美紗月間は終わりということで、今後もゆるゆると古本屋で見つけたら買う方向でいきたいと思います。

"日本のクリスティー"と呼ばれるからには、その作品を知りたい。

 

そこで今回のタイトル「どうしてもクリスティーと比較してしまいます」なんですが、私の場合根底に"クリスティーが好き!"というのがあるので、どうしても山村美紗作品とクリスティー作品を比べてみたくなってしまうのです。

山村美紗さんがご自分で"日本のクリスティー"と名乗っていたわけでもないし、まだそれほどたくさんの作品を読んだわけではないので、現時点で比較してどうだというのはおこがましいのですが、ついやっちゃう…っていうね。

まあ、単なる個人の感想ということでお許し願いたいです。

 

まず、クリスティーの作品はシリーズ物が多いんですが、山村美紗作品はノン・シリーズ物が多いなという印象です。

これは、古本屋で手に取った本がシリーズ物でないのが8割、キャサリンシリーズが残り2割だったので、他のシリーズに私が出会えなかったせいもあります。

ちなみに、ちょっと調べれば山村美紗作品のリストが手に入るはずなので、その気になれば割合なんてすぐに分かると思いますが、あえてやってません。

一期一会で無作為に出会った山村美紗作品を読んでいきたいと思っているので、情報収集は極力しないでおきたいのです。

若い頃みたいに、一点集中型の読書はしなくなったせいでしょうか。

なので、本当はたくさんのシリーズ物があるのかもしれません。それはこれからのお楽しみです。

 

それから、主人公がほぼ若い女性。ただし、作品によりタイプは異なります。

これも私の集めたサンプルが少ないので意見の偏りかもしれませんが、私が読んだ本は全部、タイプは異なれど魅力的な若い女性が主人公でした。

クリスティー作品ではポアロやミス・マープルをはじめとしていろんな世代の主人公が登場しますから、そこは山村美紗さんのカラーかなと思いました。

 

あとは、トリックの多様さで魅せるのが山村美紗ミステリーだと思います。

電話を使ったアリバイトリックや株式の知識を生かした暗号の手がかりなど多種多様で、そのトリックを暴くことで事件を解決するという王道の展開が鮮やかです。その一方で、主人公の恋愛模様が並行して進んでいく…といった感じです。

ある意味、ミステリーパートと恋愛パートが並行して進んでいきます。

 

クリスティーの場合、トリックの見事さが引き立つ作品もありますが、どちらかというと関係者との対話によって矛盾点を洗い出し、嘘を見破り、犯人を暴くといった流れであることが多いと感じています。

そうすることで謎解きを進行しつつ登場人物の恋愛模様も浮き彫りになってミステリーとドラマが同時進行していくのがクリスティー作品の醍醐味だと思います。

この場合、別パートが並行して進んでいるという感じではなくて、ミステリーとドラマは絡み合っていて、一本に縒り合された縄のように進んでいきます。

 

最後に、どうしても気になってしまったのが、山村美紗ミステリーには不倫関係が多く出てくるということ。

難解なトリックを可能にするためには、犯人と隠された協力者との関係が必要です。

一見何の利害関係もない二人が手を組むからこそ、完璧なアリバイが作れたり不可能と思われる犯罪が可能になったりします。見事なトリックを生み出すからこそ、隠れた協力関係が必要になり、"関係を隠さなければならない"という必然性が不倫関係ということになってしまうのかな…と思います。

悲しい結末も多くて、作中で不倫関係で登場したキャラクターは大体女性の側が不幸になっているような印象です。

 

クリスティーが活動していた初期の頃は世界大戦があった後で、作品中で謎の人物が登場して"戦死したことになっていたけれど何年もたって帰ってきた夫"とか、"戦争で亡くなった人に成りすましている他人"など、「実は別人でした」というような展開が可能なご時世であったので、登場人物に秘密を持たせる方法として必ずしも不倫関係でなくてもよかったのでしょう。

 

現時点では、こんな風に比較してみていますが、今後、山村美紗作品の読了数が増えるにしたがって、新しい情報がアップデートされるわけで、何年か後、「2022年の10月にはこんな事偉そうに書いてますけど…」なんて閑話休題で書くかもしれませんね。このブログが続いていればの話ですが。

一人語りの感想を読んでいただきありがとうございました。

 

それでは、来月のテーマとまいりましょう。

 

2022年11月のテーマ

「コメディーでいこう!」

 

最近急に寒くなり、体が冷えるとなぜか気も滅入る…というわけで、最近コメディー映画やアクション映画を配信で観て楽しんでいます。

笑うと心も温かくなるに違いない!というわけで、このテーマで行こうと思います。

多分映画中心になると思いますが、よろしければのぞいていってください。

よろしくお願いいたします。(*^▽^*)