2022年1月のテーマ

古典が楽しくなるかもな本

第一回は、

「あさきゆめみし」

大和和紀 著、

講談社コミックスmimi(全13巻) 大型版(全7巻) 文庫版(全7巻) 完全版(全10巻)、

1979~1993年発表

 
 
 
 
 

です。

 

※Pickで画像を張り付けたかったのですが、貼り付けるとエラーが出てアップできなかったので、画像なしにしました。

 美しい絵を少しでも見ていただきたかったので残念です。

 
 
 
 

 

雑誌で不定期に連載されたものが、後にまとめられていろんな形で出版されています。

有名な作品なので、説明不要かもしれませんが、一応。

紫式部の「源氏物語」を漫画化したもので、大和和紀さんの繊細で華麗な絵が平安時代の貴族文化を描いたこの作品はまるで絵巻物のように美しいです。

 

「源氏物語」は非常に長い物語で、文章で読むのはとても大変だと思います。

もちろん漫画にしても長い。

それに内容は貴族社会の恋愛物語で、愛憎渦巻く人間関係や主人公の苦悩を描いています。

正直、どろどろの昼メロみたい。

だけど、紫式部が執筆した当時と現代では価値観も常識も文化も違うわけで、「源氏物語」を昼メロを観るときの現代の価値観で読むのはちょっと違うような気がします。

当時の女性たちは「源氏物語」の主人公、光る君に夢中で大変なヒット作になったそうです。

(大勢が読みたくて写本したので現代まで作品が残っているとも考えられます。)

そういった作品ですので、主人公の光る君をかっこよく上品で高貴な男性として描き、彼の恋愛の一つ一つをロマンティックに美しく描いている「あさきゆめみし」は「源氏物語」の世界を知るのに最適の本だと思います。

 

漫画ではなく、小説という形でも「源氏物語」という作品を味わうことはできますし、それこそたくさん小説化されているのですぐれた作品はあると思いますが、絵でないと、平安時代の文化を感じ取れないと私は思います。

衣装一つにしたって、女性はいつも十二単を着ているわけではなく、夏は薄物を着ていたりもしますし、男性の来ているものも、宮中に参内しているときとお忍びのときでは違っていたりします。

御簾や円座みたいな生活の小物もどんな形をしていてどのように使われていたのか、文章からだけではうまくイメージできなかったりします。

大和和紀さんの漫画では、そのあたりがよくわかります。

作中で詠まれている和歌の意味も解説してあります。

「源氏物語」のストーリーだけではなく、世界観も含めてとても分かりやすいと思います。

 

実際、私の高校時代、古典の教科書に「源氏物語」の場面がいくつか載っていましたが、古文で読んだ内容が漫画のワンシーンそのものだったので、とても楽に理解することができました。

「あさきゆめみし」はとにかく素晴らしい作品です。

いろんな版が出ているので、自分に合ったものを探してみてください。

ちなみに私が持っていたのは講談社コミックスmimiの13巻(10巻まで「源氏物語本編」、残り三冊は「宇治拾遺編」)でした。

いつか豪華版(今ある完全版と同じかな?)が欲しいと思っていましたが、買わずじまいで今日まで来ています。

豪華版はハードカバーで大きくてカラーの表紙が美しいんです。

限定版とかだったらもう売っていないかもしれません。

個人的な物欲語りはここまでにして、、、「あさきゆめみし」はおすすめです。(*^▽^*)