2020年3月のテーマ

ハードボイルド小説を読んでみた!

第一回は

「極大射程(上)(下)」

スティーブン・ハンター 作、染田屋茂 訳

扶桑社ミステリー 2013年発行

 

 

です。

 

ハードボイルド小説というよりは、スリラー小説に分類されていることが多いと思います。

本の帯や、書店でのポップでスリラーと紹介されているのを見たことがあります。

今回、ハードボイルドとして紹介するのは、主人公のボブ・リー・スワガーのキャラクターが実にハードボイルドだなーと感じたからです。

ストイックでタフな熟練のスナイパー。

そんでもって、過去の経験からくる影、孤独を愛する暮らしぶりと来た日にゃー、私的にはハードボイルドな主人公。

(非常に個人的なカテゴライズですみません。)

 

ストーリーのほうですが、ドラマや映画にもなっているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

相当な腕を持ったスナイパーでも難しい、超長距離の射撃による殺人。

その犯人に仕立て上げられたボブは、自らの冤罪を晴らすべくたった一人で黒幕に立ち向かいます。

 

私がこの作品を読もうと思ったきっかけは、2007年のアメリカ映画「ザ・シューター/極大射程」を観たことです。

主人公のボブを演じたマーク・ウォルバーグさんがとても魅力的でした。

物静かだけれど、怒らせると怖い人・・・。

外見上は特筆するほど威圧的ではないけれど、スパッと切れる刃物みたいな感じのキャラクターを見事に表現されていました。

ストーリーも面白かったので原作の本を読んだ次第です。

そもそも原作が面白かったのだと感じました。

 

映画を観る大分前のことですが、書店で平積みになっているこの本を見たことを覚えています。

「このミステリーがすごい!」2000年の海外部門で第一位の作品でした。

当時は読む気はなかったんですが、「へー、ミステリーなんだ。」と思ったので、記憶に残ったんですね。

紹介に乗せたのは扶桑社ミステリーの新装版ですが、私が持っているのは1998年出版の新潮文庫です。

扶桑社版もそうですが、表紙の装丁が上下巻ともライフルを構えるスナイパーのデザインで、謎解きが醍醐味のミステリーというよりは、きな臭い雰囲気の小説だなーと感じたんだと思います。

 

この「極大射程」はボブ・リー・スワガーを主人公としたシリーズの第一作です。

第三作目の「狩りのとき」も、私は好きです。

こちらはベトナム戦争に従軍していたボブと、敵方のロシア人スナイパーとの息詰まる戦いが描かれています。

私はシリーズ作品は3作品しか読んでいませんが、ボブ・リー・スワガーとその父アール・スワガーを主人公にした作品がたくさん出ているようです。

それらを称して「スワガー・サーガ」と呼ばれているそうで、人気のあるシリーズのようです。

私にとってはハードボイルド!なボブ・リーの活躍する有名なこの小説。

読んだことない方にはぜひ読んでいただきたいです。(*^▽^*)