2020年2月のテーマ

おいしい物がたくさん出てくる

第二回は、

「ダイエット・クラブ1 ベーカリーは罪深い」

J・B・スタンリー 著 武藤崇恵 訳

ランダムハウス講談社 2009年発行

です。

 

主人公のジェイムズ・ヘンリーは、35歳。

母の死後、気難し屋の父親と同居するため、故郷の田舎町に舞い戻ってきたバツイチの図書館長です。

ティーンエイジャーの頃過ごした部屋に舞い戻り、気づけば体重は125キロ

自分のことを負け犬と感じ、現状を変えるべくダイエットを決意。

サパー・クラブに入ってダイエット仲間と出会います。

サパー・クラブとは、料理をしながらおしゃべりを楽しむクラブのことだそうで、ワインに合う料理を研究するクラブだとか、エスニック料理を楽しむクラブだとか、目的を絞ったものもあるようです。

ジェイムズが入ったのは、もちろん、ダイエットを目的としたクラブ。

参加者はみんな個性派ぞろい。メンバー5人は自らを<デブ・ファイブ>と称し、互いに大事な友達になっていきます。

 

そんな小さな町で、とびきりおいしいパンを焼くベーカリーで起こった事件に、デブ・ファイブが挑みます。

 

この本で出てくる食べ物は、いわゆるグルメな食べ物ではありません。

普通にスーパーやカフェでお目にかかる食べ物が多いのですが、何というか、甘い誘惑は読んでいる者にも伝染します。

ダイエットが目的のサパー・クラブなので、料理のシーンがたくさん出てきますが、そこで作る料理はダイエッター向けのサラダや鶏肉など低カロリーなもの。しかし、美味しいものが大好きなデブ・ファイブの面々。

食べてはいけないと分かっていても、甘い物やおいしそうなものにはアンテナが立ちます。

ベーカリーの絶品物の菓子パンや、ハロウィンのお祭りで山車の上から配られるお菓子、ダイナー<ドリーズ>の料理の数々・・・と、美味しそうなものが次々と出てきます。

ジェイムズの好物は、スナック菓子のチートス。

 

おいしい物の誘惑に抗うつらさは、多かれ少なかれ、みなさん経験あるんじゃないでしょうか?

 

ちなみに、このダイエット・クラブシリーズは、全部で5冊。完結しています。

デブ・ファイブのダイエットの行方も読む楽しみの一つです。

 

この作品も、数々のコージー・ミステリを出版してきたランダムハウス講談社の本なので、現在は中古でしか手に入りません。

ですが、ぜひともおすすめしたい作品です。

陽気なデブ・ファイブのダイエット奮戦記。

おいしい食べ物の数々と一緒に味わっていただきたい一冊です。(*^▽^*)

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【追記】

シリーズは全部で5冊と書きましたが、正確には6冊です。

誤った情報を書いてしまい、すみませんでした。

ちなみに、絶版になっているものが5冊。

最終巻が原書房さんより1冊出ています。

完結させてくださった原書房さんに感謝しています。