妖怪大好き

 ハッピーセットのおまけについていた小冊子「妖怪図鑑」をきっかけに妖怪の魅力に目覚めた息子くん。録りためていたテレビ番組のゲゲゲの鬼太郎を消化しつつ、義母からのクリスマスプレゼントの「妖怪なんでも入門」を愛読するなどすっかり妖怪にとりつかれてしまいました。そんな息子くんを妖怪で町おこしをしている兵庫県の福崎町に連れて行ってあげることにしました。
 

福崎町って?

 兵庫県の南西部に位置する福崎町。ちょうど姫路の少し北側に位置します。関西からそこそこ距離はありますが、中国自動車道の福崎ICを降りればすぐ町の中心部にたどり着くためアクセスは比較的良好です。日本の民俗学の父、妖怪の生みの親ともいえる柳田國男の生誕の地でもあるここは「妖怪の町」としても有名なのです。
 
ただ「妖怪の町」といっても、妖怪の銅像か何かをさらっと見て回って記念撮影して終わりだろうとよく調べもせずに勝手に決めつけて、その日のメインはちょうど中間地点にある「神戸フルーツフラワーパーク」に決定。そちらのほうだけ重点的に調べて出発しました。

いきなり洗礼

 フルーツフラワーパークに先に行くとそこの遊園地にハマってしまい福崎町に行く余裕がなくなることを懸念して、先に遠い福崎町に向かいます。阪神高速の「ETC乗り放題パス」を最大限活用するため中国自動車道にギリギリまで乗らないルートを使ったためナビの最適ルート計算から30分ほど多めにかかって奈良から2時間強で到着です。「辻川界隈駐車場」に停めるとすぐそこに妖怪の銅像がいくつか並んでいました。そばの何もない池をのぞき込んでいる親子がたくさんいたのでのぞいてみると…
 
ごぼごぼっ!
 
河童があらわれたー!
 
なかなかリアルな造形です。
 
姿を現すのはほんの一瞬ですぐ引っ込みます。
 
これを数回繰り返してしばらく休止。その後しばらく出てこなくなります。調べると毎時0分から15分おきに繰り返されていました。
 
河童が引っ込んで、しばらくすると横の小屋付近から何やら声が。ギギギーと扉が開いて空中に逆さ天狗が飛び出してきました。
 
息子くんはビビッて思わず後ずさり。到着していきなり妖怪たちの洗礼を受けます。
 
この辻川山公園には全国妖怪造形コンテストに応募されたユニークな妖怪がたくさん展示されています。
 
奇怪な造形の作品たちに大喜び
 
いちばんのお気に入りはこれ。「お口にウーパールーパーいるねんで」と言われ、んなわけないと思ってよく観察したらいました。細かいところまでよく見ています。
 
ARアプリもあって、現地のQRコードを読み込むと妖怪と一緒に写真が撮れます。
これがなかなかリアルです。
 

妖怪ベンチを探して

 町内には妖怪が座っているベンチが21か所あります。辻川山公園から歩いて行ける範囲にいくつか固まっていますが、そのほかはけっこう町内各地にちらばっています。「妖怪ベンチ探検マップ」が近くの辻川観光交流センターで手に入るのでこれを見ながら探索スタートです。
 
スタート地点の辻川山公園にある「油すまし」
まだ恐る恐るですね
 
「子啼爺」顔マネするほど余裕ができてきました。
 
辻川観光交流センターの「河童」と将棋をさします
 
 ここまで私たちは歩いて回りましたが、駐車場も広いので辻川山公園に最初停めた場合はここに車を移動させてもいいと思います。
 
この辻川観光交流センターと駅前観光交流センターでレンタサイクルもやっているようです。利用料金が破格の安さです!
・普通自転車 300円/1日
・電動自転車 500円/1日
・E-bike 1,500円/1日
息子くんが自転車に乗れたらぜひ利用したかったです!
 
新しくできた「喰わず女房」ぱっと見普通ですが…
 
後頭部にもう一つの恐ろしい口が!!!
 
「海ぼうず」と一緒にいいね!
 

最高のランチ

 妖怪ベンチめぐりに夢中で昼ごはんの時間をとっくにすぎていて、ランチをどこで食べようか迷っていたら、嫁さんが「食べ処居酒屋くろすけ」の評価が非常にいいとスマホで調べてくれました。お子様ランチもあります。妖怪ベンチも店先にあるようなので一石二鳥、そちらに向かいます。
ナビに従って車を走らせると街並みから少し離れたへんぴな場所に到着しましたが、比較的広い駐車場がほぼ満車の状態です。人気店なのですね。
 
順番待ちをしながら妖怪「小豆洗い」にあいさつ。
 
鰻のかば焼きに、刺身、鶏の唐揚げ、みそ汁、デザート、ドリンクまでついた満腹ランチが1,680円!
 
お子様プレートは唐揚げ、ポテト、たこさんウインナー、おにぎり、ドリンクで650円でした。
 
鰻はもちろん、刺身も定食の添え物とは思えない美味しさでした。
 
部屋も個室で子供連れでも気を遣うことなく、全員大満足のランチとなりました。

妖怪ベンチ探しは続く

 お腹いっぱいとなって、妖怪ベンチ探し再開です。
 
「一反もめん」
 
「一つ目小僧」
 
「油坊」
 
「洗濯狐」
 

駅前には新たなしかけが

 JR福崎駅近くにある程度妖怪ベンチがかたまっているようなので、駅近くのコインパーキングに停めて駅前に向かいます。
 
すると画面右の円筒形の水槽がゴボゴボいいだして、河童があらわれました!
 
最初に行った辻川山公園の池にいた河童のガジロウが地下トンネルを通って駅前に現れたのです。出現時間も池とは7分間ずれているという設定の凝りようです。
駅には福崎町観光センターもあり、そこで無料の塗り絵が配布されていました。妖怪がたくさん描かれたとても凝った塗り絵が4種類もあり帰ってきてからもずっと楽しんでいます。ぜひともゲットしておきましょう。
 
「天狗」を見つけたところでまた車に戻ります。
 
「猫また」
 
「雪女」
 
「山姥」まで見たところで中心部の妖怪はすべて制覇しました。あとは少し離れたところの鬼を見せてあげて終わりにするつもりでした。いつの間にか日も傾いてきました。
 
 
ところが息子くん、マップを指さしながら
 
「こことここ行ってない」
 
え?全部回る気?そんなに気に入ったのならとことん付き合おうじゃないです。
 
常盤堂製菓直販店の店先にある「袖引き小僧」に袖をひかれ
 
ここでは昔懐かしい「かりんとう」のいろいろな種類が売られていて思わずいくつか買ってしまいました。不揃いのいろんな製品を詰め込んだものがとてもお得です。味も昔ながらで、とても美味しくいただいています。息子くんに言われなかったらここのお菓子には巡り合えませんでした。
 
最後に神戸医療未来大学の「タタミタタキ」と「フクちゃんサキちゃん」を探してコンプリートです。
 
 
すっかり日も暮れました。
 
結局全部巡るならばスタンプラリーにも参加しておけばよかったと後悔です。
 
 息子くんも大満足の一日、神戸フルーツフラワーパークはまた日を改めていくことに何の異論もありませんでした。
 

三木サービスエリアであのラーメンが!

 中国自動車道に乗って、昼間からずっとソフトクリームが食べたいといっていた息子くんの希望を叶えるために三木サービスエリア(上り)に寄ります。
 息子くんがソフトクリームを食べ終わるのを待っている時に、フードコートののぼりに嫁さんが気づきました。「世界一忙しいラーメン屋」という風変わりな店の名前です。「これ、人類みな麺類とかの系列ちゃう?」
 そう、大阪でとてつもない行列のできるラーメン屋をことごとくプロデュースしているUNCHI株式会社のお店でした。
 行列に並ばず食べられるならと、私たちの晩御飯もここで済ませることにしました。息子くんもお腹空いたとのことなのでお子様カレーを頼みます。優しい甘さのあるさっぱりした醤油ラーメンにもちもちした麺がぴったり。とても美味しくいただくことができました。
 
家に着くころにはすっかり夜。息子くん「楽しかった、また行きたい」を連発。1週間以上たった今でもまだ言っています。親が思うよりもよっぽど楽しかったんですね。私たちも予想外に美味しいご飯に巡り合えて満足でした。
 
ありがとう福崎町。またいつか訪れたいと思います。今度は自転車で巡りたいですね。