それはいきなり始まって
12月になったばかりの木曜の夕方、園からの連絡が専用アプリに着信しました。勤務先で開いて書かれたその内容に息をのみます。
「つっ、ついに来た」
息子くんの様々な生活指導はついつい園に頼りがちで、お箸も「いつか練習に取り掛からなきゃならないんだろうな」とうすうす思いながらも、ついつい現状維持を続けてきました。というか息子くん、スプーン・フォークさばきもまだまだ未熟なんですよね。お箸なんて…。
帰宅後、嫁さんと顔を合わせて神妙な顔で会話しました。
「あれ、見た?」
「見た、ついにきたな」
「明日買ってきて、月曜から持たせるわ」
お箸はエジソン箸とかの指定は特になく、通常のものでいいようです。住吉大社のお宮参りでもらったファミリアの食器セットにちょうどかわいいお箸が付属していましたが、ケースがスプーンとセットの大型なものでした。ファミリアには箸専用の小型のスライドケースもあるので箸を家も園で合わせる意味で小型ケースと同じ箸のセットを買ってきてもらいました。
今までコップだけ入れていた巾着袋ではお箸が入らないので、それもファミリアで新調。月曜日から気分も新たに新しいお食事セットを持って通い始めました。
ただ、連絡帳には特に箸の練習に関する記述もなく、お迎え時に回収した箸に使用感があることでうまくいったかどうかは別にして使い始めたことを確認するにとどまりました。
そして3日目の水曜日。園からの帰り道のこと。嫁さんに「今日の晩ごはんは保育園のお箸使うの」と宣言してきたそうです。今までも興味本位で箸を使いたいと言ってきたことが何度かありましたが、結局うまく行かず武器のように振り回したりして危ないだけなので封印してきました。なので今回もスルーの方向で晩御飯はスタートしました。
半分ほど食べ進んだところで、席を立ったりして食事に集中できなくなるのはいつものことなのですが、ここでふと思いついて歩き回っている息子くんにこう声をかけました。
「お箸、使ってみる?」
「うんっ!」
素直に自分の席に戻りました。そしてお箸を持って、器用な手つきで鶏肉をつかんで…
「ぱくっ」
ええええええええええええっ!
両親のあまりの驚きぶりに息子君自体が困惑していました。
あわててスマホを取りに行って、「もう一度やって」とリクエストしました。
さっきのはまぐれかもしれないと思いながらスマホで動画を録りはじめました。
完璧です。
練習を始めてたった3日ですよ!。どんなすごい教え方をしたんでしょう!?
連絡帳で先生に聞いたところ
「こうやって持つんだよ~、とさらっとしか伝えていません」
との返事。謙遜されていますが、家ではこうはいきません。教え方もさることながら、お友達と一緒だとやる気が違うのかもしれませんね。