※今回は「子育て(幼児)」カテゴリから外れた内容です。あしからず。
The 1975が来る!
それは6月始めのころ、たまたま聴いていたFMで今夏は大規模屋外フェスのサマーソニック(サマソニ)が3年ぶりに大阪でも開催されることを知りました。そして読み上げられていく出演アーティストを聞き流していたときです。「…King Gnu、The OFFSPRING、The 1975、…」
え!? The 1975 来るの!?
デビュー以来10年近くファンを続けているにもかかわらず、ライブには行けてませんでした。オフスプリングも来るし、この2アーティストのためだけでも行く価値ありです。家に帰って嫁さんにそっと切り出します。
「サマソニやるみたい。The 1975来るねんて」
すると
「ええやん、行ってくれば」
と快い2つ返事。無時2日目の日曜日のチケットをゲットしました。
息子くんが生まれてからというもの、休日に息子くん抜きで自分のためだけに遊ぶということがほとんどなかったのですが、今回だけは息子くんのことは忘れて思いっきり遊びつくすことにしました。
始めての野外フェス
屋内ライブは何度も経験ありますが、こういった野外フェスは一度も行ったことがありません。野外フェスというと音響悪い、よく見えない、暑い、雨に降られるといったマイナスイメージしかなかったのでなんとなく敬遠していました。まわりの経験者に聞いても散々です。
「その歳で?よぉ行くなぁ」
「大丈夫?」
「死ぬで」
「熱中症気ぃつけや」
「昔、雨降って悲惨やったなぁ」
そんなに過酷なんですか?とりあえず日焼け対策、熱中症対策を万全するように準備します。服装は上下とも長いランニングウェアの上にTシャツと半パンツにしました。TシャツはわざわざThe 1975の公式グッズを買うくらいの気合の入れようです。
当日の持ち物リストはこちら
- 晴雨兼用折りたたみ傘
- 帽子
- サングラス
- タオル大・中・小
- 携帯扇風機
- クーリングネック
- 日焼け止めクリーム
- 雨がっぱ
- リュックレインカバー
- スポーツドリンクペットボトル(冷凍&冷蔵各1)
- モバイルバッテリー
- ビニール袋
- 着替えTシャツ
傘は持ち込み禁止リストにあるのですが、離れた会場間の移動や待機中などに日よけとして大活躍しました。会場内であっても密集していないところで使うことは黙認されているようでした。ビニール袋はゲリラ豪雨などに見舞われたときにとりあえずリュックなどの手持ち品を全部ぶっこめるサイズのものです。
寝たままの息子くんを置いて
当日朝、会場の舞洲までは嫁さんに車で送ってもらう予定だったのですが、いつも休日早起きの息子くんがこの日に限って起きる気配が全くありません。気持ちよさそうに寝ている息子くんと嫁さんをそっと置いて電車で会場に向かいます。
交通アクセスの経路はいくつかありますが、通勤定期が途中まで使えるので地下鉄中央線・コスモスクエア駅から専用シャトルバスに乗る経路にしました。コスモスクエア駅に着いたのが9:30すぎ、シャトルバスの乗り場まで結構歩きます。
約5~6分歩いたところでバス乗り場に到着。シャトルバスのチケットは前日までの前売りは往復1,000円ですが、当日購入なので往復1,500円でした。腕にオレンジのリボンを巻き付けるとそれが乗車パスになります。これのおかげで行き帰りともに検札がスムーズに進みました。バス乗り場には大量のバスが待機しており50人ほどの待ち行列もどんどんバスに飲み込まれてほとんど待つことなく乗車できました。バスの乗車時間は15分ほど。会場から少し離れた場所にある乗降場に到着です。乗降場のすぐそばにチケットをリストバンドに交換するブースがありました。ここも特に並ぶこともなくスムースに交換できました。
リストバンドを交換するブースはいくつかあり、他の人のツイートなどを見ると恐ろしい行列ができている場所もありました。ここは穴場だったのかもしれません。
なお、リストバンドを受け取る際「きつく締めすぎないでくださいね」と念を押されました。このリストバンド、リボンが通されたプラスチックの輪っかで締めるタイプなのですが、締める方向にはスイスイ動くのに緩める方向には1ミリたりとも動きません。一度締めたら二度と緩まない「呪われたリストバンド」です。実際友達に緩めてもらおうとして逆にもっと締まってパニックになっている人を見かけました。気を付けましょう。
リストバンドを受け取ったら、またひたすら歩きます。会場まで10分程度でした。
ようやく4つある会場のうちの一番大きなOCEAN STAGEに到着です。腕についているオレンジのリボンがシャトルバスのパス、そしてロゴが入ったのが「呪われたリストバンド」です。このリストバンドがあれば自由に会場を出入りできます。
The 1975も夜にここでやるので、下見を兼ねて一番バッターの邦楽バンド「Mrs. GREEN APPLE」を観ることにしました。MTVやFMなどで流行っている曲は聴いたことあるというレベルで特に期待もしていませんでした。
まだ早いせいか、会場内もひっそり。ステージ前付近だけに人が集まっている状態です。これが10:30の状態。開演まであと1時間あります。
ステージ近くまで行ってみます。
そこそこの人だかりです。前方エリアのブロックはフェンスで仕切られており、入り口にはスタッフが立っていました。スタッフに聞くと一般パスで前方エリアにも入れるが一定人数に達すると締め切るのだそうです。これはいいことを聞きました。本命のThe 1975では事前に前方エリア入り口で付近で待機することにしました。
なお、この時はまだ入れるとのことでしたが、特に思い入れのあるアーティストでもないので後方でゆったりと座って待って見ることにしました。体力温存です。
すごい!未体験のライブ感覚
いよいよ、開演時間が近付いてきてアーティストがステージに出てきて会場がざわつきます。楽器やマイクのチェックをしてたかと思うといきなりゆるーく演奏が始まりました。
「え?これ始まったの?」
思う間もなく2曲目に…。
「これ聞いたことある!?」
映画「ワンピース」の劇中歌でAdoが歌っている ”私は最強” でした。
完璧で圧倒的な歌唱力。体内に直接響く演奏。未体験のライブ感覚に脳内麻薬がだらだら流れ始めます。
すごい!これが野外フェスなのか!?
今までの偏見がガラガラと音を立ててくずれた瞬間です。
するとアーティストたちが「またあとでよろしく」と言って引き上げました。
どうやら軽いリハーサル、肩慣らしだったようです。本気はこれから。恐るべし。
その後司会が入り、今度はそれっぽくステージはスタートしました。こういったフェスの場合演奏できる曲数が限られているのでヒット曲中心の選曲となるため聞きなじみのある曲ばかり。十分楽しめます。
あっという間に演奏が終わり、他の会場を見て回るために一旦OCEAN STAGEを後にします。このころには垂れこめていた雲も晴れてきて本格的な暑さがこたえてきます。
ステージ間の移動で誤算
大人数を集める人気ライブが終わると観客の一斉移動が始まります。会場出口の渋滞はもちろんのこと、経路でも横断歩道があるところなどでせき止められるため思ったよりも移動に時間がかかることがわかりました。花火大会の後のように動けないのです。タイムテーブルを見ていろいろ綱渡りの閲覧計画を立てていましたが見直しを余儀なくされました。
屋内ステージで体力回復
「SONIC STAGE」だけは空調の効いた屋内です。椅子のあるスタンド席は満席になると入れなくなりますが、スタンド席入り口付近で待機していれば前のアーティストが終わった段階で入ることができます。
食事をとって、他の会場のライブをつまみ観した後、「Awesome City Club」を観ながら体力を回復させます。さすが旬のアーティスト、圧巻でした。
そして、The OFFSPRING目当てでMOUNTAIN STAGEを目指します。野球場のスタジアムは日が暮れてきて少し過ごしやすくなっていました。お目当てのThe 1975の最前列を確保するために演奏終了直後にダッシュで会場を出られるように出口付近のスタンド席を陣取ります。
時間になっても演奏が始まらず、やきもきしていると10分遅れぐらいでスタート。このバンドのライブは過去にも経験あったので結局途中で泣く泣く抜け出して、OCEAN STAGEを目指します。おかげで移動はスムースでした。
OCEAN STAGEにつくとまだKING GNUの演奏の最中でした。今回の目玉アーティストだけあって観客数も半端ないです。
パフォーマンスも半端なく、この広い会場を埋め尽くした観客を圧倒していました。聞きなじみのあるヒット曲を堪能しながら、じわじわと前ブロック目指して移動します。
前ブロック入場待ちの列に並び、待機します。いよいよ入場がスタート
「まだ余裕があるので押さないで」とのアナウンスもあり。混乱なく入場できました。最初間違えて左ブロックに入ってしまい中央に行けないことに気づいてあわてて中央ブロックにかけこんでまもなく、まだ余裕があるのにゲートは締め切られました。本当に危ないところでセーフでした。これで最高の場所は確保できました。
一生ものの感動!
ついに時間となりました。この瞬間をずっと待っていました。すっかり日が落ちて暗くなったステージ上に彼らのモノクロのシルエットが浮かび上がります。
シンセに乗せて美しいサックスの音色が響き渡ります。このフレーズ、あの曲ですね。観衆の期待が最高潮に達したころ、聞きなじみのあるイントロに移行して大歓声です。一曲目の ”If You’re Too Shy (Let Me Know)” のスタートです。
マシューがすぐ目のまえで歌ってる。これは現実だよな?全身全霊で歌う声が、サウンドが電撃のように全身を貫く感覚。
来てよかった、ここに立ててよかった。一生のうちにそうはない感動を味わう事ができました。ヘッドライナーだけあって長い持ち時間にヒット曲のオンパレードで構成された充実したライブ。そして新曲のお披露目。成熟した彼らのまさに全盛期ともいえる時期でのライブを体感できたこと。私にとって一生の宝物です。
ちなみに、あまりに前すぎてエンディングの花火はステージに邪魔されて全く見えませんでしたが、どうでもいいです。
そして帰宅
演奏が終わり、まだ花火が続いているころ、そそくさと出口に向かいます。最終なので前方の出口も開放されておりおかげでスムースに会場を出ることができました。すでにシャトルバス乗り場に向かって果てしない行列ができていましたがある程度動きだすと以後はスムースで結局20分でバス乗り場に到着。
その後の移動もすいすいと進んでなんとか終電前に帰宅することができました。
たまには息抜きも
子育ては楽しく何物にも代えがたい貴重な時間なのですが、どうしても見えないところでストレスが溜まっていくものです。今回は嫁さんの理解と協力の下でまる一日自分の時間を楽しみました。数日経った今もあのライブ演奏の余韻にひたっています。リフレッシュすることで余裕が生まれます。こうやって夫婦交代ででも息抜きすることも大事ですね。まるで多感な中高生に戻ったかのような感覚を引きずったままこのブログも書いてます。
そして、嫁さんには次をもう匂わせています。
「ライブでマシューが今度来日公演が決まったって言ってたよ、大阪も来るって」