まず父親に異変が

 親父の四十九日法要を終えた翌朝、肩甲骨と首のあたりにチクチクするような痛みとともに赤い発疹があらわれてきました。20年ぐらいタンスの奥にしまいこんでいた派手なサメのイラストのTシャツを息子ウケを狙ってパジャマがわりに着て寝た翌日だったので、

「シャツに悪い虫でもいたのか?」

と、あまり大げさに考えていませんでした。
 
 嫁さんに皮膚科の受診を勧められましたが、せっかくの一人だけの平日の休みを潰すのがもったいなくて久しぶりにロードバイクを持ち出してサイクリングに出かけてしまいました。

 翌日になっても痛みは増すばかりで、ついに激痛が走るようになりました。もう風が吹いても痛い。

「この痛み、知ってる」

10年ほど前に帯状疱疹(たいじょうほうしん)にかかった時の痛みです。

 帯状疱疹とは小さいころにかかった水ぼうそうのウイルスが体内で休眠していてストレスや過労などで免疫が弱った時に部分的に猛威を振るうものです。50歳以降によくみられる病気で、1度かかれば2度かかることはないと思っていたので油断していました。ネットで検索するとまれに再発する人もいるらしいじゃないですか!?
 
 帯状疱疹はいかに早く診断を下して抗ウイルス薬を飲むのかが勝負ということは前回身に染みてわかっていたので、会社の帰りにかかりつけの皮膚科に飛び込みます。ちなみに10年前に罹患した時はあまりの痛みに酔って転んで骨折したと思い込んで整形外科に行ってしまったりしましたが、もう今回は迷いません。

医師は見るなり

「帯状疱疹ですね。この時期多いんです。安静にしてください」

と確定診断。

 痛みを緩和する光線治療のあと、抗生剤を塗ってガーゼで保護します。抗ウイルス薬も処方されました。

まさかの質問に絶句!

 ここで、10年前には何の関係もなかった医師の質問に絶句します。

医師:「まだ水ぼうそうにかかっていない小さいお子さんが近くにいますか?」
私 :「息子がいます!まだ2歳です!」
医師:「水ぼうそうが伝染る可能性があるので、できるだけ接触は避け、入浴は別に、タオルも共用しないでください」
私 :(がーん)

 この日から息子君と寝室を分けて、風呂は常に嫁さんが入れて、抱っこをせがまれても拒否しなくてはならないという辛い日々が始まります。

 息子君、調べたら水ぼうそうの任意の予防接種は受けてました(嫁えらい)。感染力の強い水ぼうそうウイルス。もし伝染っても症状が軽いことを祈るのみです。

 抗ウイルス薬は発症から3日以内に飲み始めるのが効果的らしいのですが、飲み始めたのがギリ3日目。なんとか間に合ったのか医師も驚くペースで回復に向かい、通常2週間かかるところ1週間で水疱は枯れてきました。

 幸いなことに痛みがずっと残る後遺症(帯状疱疹後神経痛)を併発することなく終息に向かってくれました。みなさん、帯状疱疹が疑われたらとにかくすぐ皮膚科に行きましょう!

そして息子くんが…

 月曜日の朝、保育園に行くため起きてきた息子君、いつものように元気そうだが食欲だけがすぐれないのです。察しのいい嫁さんが「なんか熱い気がしてん」と熱を測ると38度でした。

はい、3人まとめて終わりました。

保育園はもちろん、会社の厳しい「家族に新型コロナ感染疑いルール」に引っかかって私も自動的に職場に行くことができなくなりました。

 とっさに思い浮かんだのが私からの水ぼうそう感染です。体中をくまなく調べますが、発疹のようなものは見当たりません。調べてみると潜伏期間が2週間ほどあるとのこと。まだそんなに経っていないのでシロです。最悪のシナリオは回避しました。

 高熱だけど、普通に元気。それ前にもありました。とりあえず病院に連れて行きましたが、診断結果は前回と同じ「ウイルス性の発熱」
 
 夜になったら熱が上がるのも前回と同じですが、今回は39.8度になってもぱっと見元気なまま。高熱が続くため何度か小児科を再受診しましたが診断は変わらず。3日目ともなると寝付けずに苦しそうに何度も起きて、もだえ苦しむようになってきました。ここで解熱剤の座薬投入。翌日は丸一日平熱に戻り、その翌日から保育園に復帰できるかと期待しましたが、翌朝再度発熱。鼻水と咳が激しく、病院で薬をもらいます。
 
 私も伝染ったのか鼻水と咳が出るようになってしまうなど悪い連鎖が続きましたが息子くんは土曜日にようやく平熱に戻り元気を取り戻しました。結局夫婦ともにほぼ1週間仕事を休むことになってしまいました。今年度の看護休暇をあっという間に使い切ってしまいました。これで打ち止めであることを祈るばかりです。