19ストラディック4000のドライブギアのシム調整をする。
シマノのスピニングリールのシム調整は本当に面倒くさくてローターを外してボディーを開ける必要がある。色々な厚さのシムをとっかえひっかえ足したり外したり、交換したりで都度ハンドルを回してギアのアタリを見るのだが、そのたびにローター、ハンドルの付け外し、ボディーの開閉を伴う。
ダイワはモノコックボディー以前のリールだと、ハンドル軸のプレートを外すだけでドライブギア左側にアクセスできるので圧倒的に簡単だが、これもモノコックボディーになってからプレートが直接ボディーへねじ込まれる構造になったため一般的に入手できる工具では作業できなくなった。そもそもダイワはパーツ売りをしてくれないので何かあれば問答無用でメーカーオーバーホールだ。
現状で我慢できないほどではないのだが、もうちょっとよくしたいし、調整でハンドル上下のカタカタは良くなることは物理的に明らかだから、腹をきめてやることに。
用意する工具類。
基本はネジの頭に合ったドライバー、レンチを使う、という当たり前のことを守ることが大切だ。プラス、マイナスのドライバーは多少サイズが合わなくても回せるが、特にリールの分解時は合わないものは絶対に使わない。
12エクスセンスの頃と違ってトルクスレンチが必要だ。
あと、
スプール受けを外すのに0.89-0.9mmのヘックスレンチも必要。これは普通のヘックスレンチセットに含まれることはまずない。これも個別に用意しなければならない。
ローターを外すと、
Xプロテクトを構成するローターカラー、ローラークラッチ組の取り扱いが非常に厄介だ。この両者とフリクションリングに特殊撥水グリスが塗布されていて、触ると撥水性が損なわれる。本来触れないのだが、ローラークラッチ組の中の極小バネ、ローラーなどがバラバラになりやすく、ここらを触らずには済まない。
そもそもこの特殊撥水グリスは防水のためにボディーの合わせ面にも塗布されているので、ボディーを開けたらこれも本来塗り直しをしなくてはならない。
ドライブギア調整シムはボディーとベアリングの間に入っていてそれで調整するのだが、ベアリングがボディーにネジ留めされているので、これも調整のたびに取り外さねばならない。
ギア関係は見た感じ摩耗はなかったので交換は見送った。そのほうがバラす部品は少なくて済むし。
これまでなら30分くらい済んでいた作業だが、特にローラークラッチのバラバラに何度も遭遇し結局2時間くらい掛かってしまった。
今回の作業で効率的なやり方はわかった。次やるとするならもっと早くできるだろうが、本来の防水性能を保つには特殊撥水グリスを用意したほうがいい。
というか、ダイワと違ってパーツ販売をしてくれるシマノだが、最新スピニングリールの構造やトルクスネジ、特殊撥水グリスの使用をみると「素人はリールメンテせずにシマノにオーバーホール依頼しろ」という無言のメッセージを感じざるを得ない。特にXプロテクト部分を構成するローターカラー、ローラークラッチは触れないし、ローラークラッチ底部がネジ留めされてない構造で注意してないとすぐバラバラになる。
ドライブギアのシム調整も、シムサイズ自体が変わったし、ベアリング固定ネジの付け外しなど余計な手間が増えた。
ローラークラッチの構造にしてもシムの調整位置にしてもわざわざ扱いにくくする必要はないはずだが、これはシマノが意図してやっているのでないかと疑っている。
ネットを見るとリールいじりが好きな人は一定数居るようだが、もともと私は不必要にリールの分解をしたい方ではないので、きちんと工賃を支払ってプロにお任せしたほうがよいのかもしれないな。