パートナーの息子が京都にいるので、数ヶ月おきにドライバーとして同行する。よって僕は運転と安宿の費用だけで京都へ来ている。まるで神奈川県民が鎌倉に行くみたいな感覚で京都を散策できる。
7月の京都の街は歩くだけでじっとりとした汗が滲むような暑さだ。4月以来、2ヶ月ぶりに訪れているのだけれど、今回も京都の無駄遣いをしようと思う。
あとは、第二種電気工事士の実技試験を控えていて、机に電線や器具をごちゃごちゃと広げ、40分のタイマーと睨み合う日々を送っていたから、少し環境を変えたかった。
ちょうど良く京都行きの予定が入ったから、前日に予定を立て、平安神宮、そして京都御所。初夏の鮮やかな緑に囲まれながら、何も考えずにフラフラしよう。
14時頃に京都につき、ブラタモリで見た平安神宮から、京都御所、宿へ向かう途中にふと目に留まった「菅原院天満宮神社」にも立ち寄った。ここは菅原道真公の御生誕の地だそうだ。
53歳にもなって、いまさら国家試験の合格祈願をすることになるとは思わなかったけれど(笑)、本番で緊張して手が震えないよう、神様に静かに手を合わせてきた。
宿に荷物を置いてから、Googleさんに聞いて見つけた近くの「夷川餃子なかじま」へ足を向けた。京都の無駄遣い、だからあまり伝統的な京ものではなくて地元の人が行く店に行こうと思った。
メニューに『サッポロの赤星』の文字が!さっそくフレンチ餃子とともに注文する。トクトクと冷えたグラスにビールを満たし、喉を潤す。そのとき、運ばれてきたグラスの文字を見て、思わずクスッと笑ってしまった。
落ち着いた雰囲気の店内に、まさかのグラスに「寺門ジモン」の文字。この絶妙なユルさが、試験前の緊張を綺麗に脱力させてくれる。
パリッと絶妙に焼けた餃子を頬張り、赤星を流し込む。続いて、大ぶりのキャベツが甘い濃厚な回鍋肉。うまいねー。ビールが進む。餃子と回鍋肉を平らげた頃、胃袋はほどよく満たされ、僕はメニューを見つめながら「締め」をどうするか悩んでいた。
いつもここでラーメンや焼き飯をドカ食いし、翌朝後悔していたものだ。が、やはり、まぜそばを頼んでしまった…
休職してから僕は「自分の体や心と対話すること」を少しずつ学んできたのに、炭水化物の誘惑には勝てなかった。ジモンさんのグラスに満たされた2本目の赤星を飲み干した。
ここの料理は「ちょうどいい」と思える量で満足感に満たされた。あとは宿へ帰って、泥のようにぐっすり眠るだけだ。
来週の試験、53歳のおっさんの泥泥しい挑戦を、せっかくだから全力で楽しんできたいと思う。