現在ドラマ化で話題になっている「重版出来」の原作です。「じゅうはんしゅったい」と読むそうです。
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出版社の世界を題材にした作品って結構ありますよね。
しかしながら、華やかな世界への憧れを壊さないようにという配慮なのかなんなのか、多くの作品はほどほどにリアルな現場を感じさせつつもファンタジー色強めの作品です。
(それはそれで面白いですが)
しかし、『重版出来』は率直に言って、かなりリアリティがあります。

まだ2巻までしか読んでおりませんが、主人公は「なんか運がいいやつ」ってだけで、特別美人でもなし、新人なのに先輩を凌駕する編集の才能を持ってるわけでもなし、今のところロマンスもなし(笑)つまり、ファンタジー要素を一切排除した作品ってわけです。

体力だけは自慢の新人編集者が、本当に泥臭~く走り回って一人前の編集者を目指します。

大好きな漫画の裏側の世界…
「ここまで知りたくなかった…」とあまりの充実の内容に、読んだことを若干後悔するほどですが、それでも心のまっすぐな人柄と、現状を恨まずいつでも自分の力で前向きに乗り越える強いメンタル(と強い体)に惹かれずにはいられません。
20代の頃に出会いたかったなぁと思う作品です。


ドラマは面白いのかな…。ちょっと綺麗に描かれちゃってたら嫌だな…。
…と見る勇気を持てません。
どなた感想教えてくださいm(__)m


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物語は主人公、黒沢心が大手出版社、興都館の入社試験を受けるところから始まる。
心は、柔道でオリンピックを目指していた柔道少女だったが怪我のためその道を断念。自分が熱くなれる次なる道を探して出版社を選択。
そして、運良く試験に合格したのだった。

心が配属されたのは、週間コミック誌「バイブス」編集部。
編集長和田や五百旗頭(いおきべ)らに鍛えられながら格闘する日々。

心にはじめて担当を任されたのは、高畑先生。人気漫画を連載するも、私生活では彼女に家を出て行かれると鬱になって作品が荒れてしまうメンタルの持ち主。
心が担当になった矢先にまたしても彼女が家出。荒れて話が止まってしまっているネームに対し、「読者ががっかりします」と書き直しを依頼する心。
「新人編集者に何がわかるんだよ!」との先生に
「わかります!私もこの間まで一読者でした!」
「作品を守ることは先生を守ることです」
「私が担当である以上、先生の信頼に絶対傷をつけさせません」

著者とのガチンコのやり取りや、営業部の手伝いを通して触れた現場の想いを感じて、心は編集者としての自分のスタイルを培って行く。

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3巻以降、またいつか書きます!