三菱自動車の燃費偽装について
ここ連日取り上げられていますね。
筆者の頭にすぐに浮かんでしまったのは、今回ご紹介する小説『空飛ぶタイヤ』です。
皆さんは、三菱ふそうのリコール隠しのことを覚えていらっしゃいますか?
調べてみると、リコール隠しがおこなわれたのは2000年のこと。
16年前のことなんですね。
小説『空飛ぶタイヤ』は、三菱ふそうのリコール隠し、そしてリコール隠しが明るみとなる原因になったタイヤ脱輪事故がモデルになっています。
今、燃費偽装で問題になっている三菱自動車と三菱ふそうは別の会社ですし、偽装の内容はまったく別の話です。
しかし私のような一般人で、かつ車業界に詳しくない人間からすると、あの「三菱」というイメージがさらに上塗りされてしまいます。
小説内では
三菱ふそう「ホープ自動車」
トラックを使用していた運送会社「赤松運送」
三菱関連銀行「ホープ銀行」
となっています。
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物語は、赤松運送社長の赤松の回想シーンから始まる。
赤松運送のドライバーが運転していたトラックのタイヤが脱輪し、歩道を歩いていた親子に当たった。タイヤは母親に直撃して即死した。
赤松運送側は加害者として、警察の事情聴取に応じた。整備不良はなかったか、ドライバーの過失は、など仔細に調査がなされた。
運行管理や整備管理に関する徹底的な検査がおこなわれたものの、結果は問題なし。
「タイヤが飛んだ」理由が分からない。
事故の原因が分からないまま、一日、また一日と経つ。
その間、大口取引先に取り引き中止を言い渡され、ホープ銀行に融資の相談をするも良い返事はもらえず…、息子は学校で「父親は人殺し」といじめにあい…
そんな中、ついに赤松に家宅捜査令状が突きつけられる。ホープ自動車による事故部品の分析結果で、事故の原因は「赤松運送の整備不良による」との結論が出たためだ。
赤松には整備不良ではないと言える根拠があったため、メーカー側の回答に不信感を持ち、自ら真相を解明することにしたのだった…。
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赤松運送視点で描かれているため、メーカー側にも銀行側にも言いたいことはあるとは思いますが。
とにかく、小さな赤松運送に立ちはだかる壁は尋常な高さではない。もう限界か…と何度も思いながらも、必ず一筋の小さな光を見つけては少しずつ真実を手繰り寄せていく、その姿に感動を覚えること間違いなしです。
正直、ルーズベルトゲームなんかより、こちらを地上波でテレビドラマ化してほしい(WOWOWでは連続ドラマ化された)。
ですが、スポンサーが付かないのでしょうね…。