僕は音楽CDを200枚以上持っている。ほとんどは洋楽である。
邦楽を持っていないのは洋楽より単価が高く、
1.5倍くらいするので嫌なんですよ。
なんで国産なのに高いのか、と。
さて、昔々の話である。あるライターがこのように書いていた
(媒体は覚えていないが日経BP系だったっと思う)。
音楽CDをすぐにデジタル化してMP3プレーヤーで聞いている自分は
時代の最先端を行ってると思ってたら、同じ編集部にもっとすごい奴がいた。
彼はデジタルで取り込んだ後、CDパッケージをゴミ箱に捨てたのである。
何で捨てるのと聞いたら
「音楽が重要だからあとはいらんでしょ?」と
答え、「奴はすごい」的に締めくくっていた。
今でいう意識高い系の先駆であろう。
だが、果たして「すごい奴」だろうか?
小泉八雲の息子の話だった
と思うが、洋画家がいた。
彼は自分の洋画を描いて、買い手が決まって、納品するときに、自分で額縁を作ったそうである。
「何でご自分で額縁を作るんですか?」と尋ねられたら、彼はこう答えたそうである。
「この絵は私の子供なんです」
「娘が嫁入りするときに
花嫁衣裳を着せるでしょ?」
「この額縁は花嫁衣裳なんです」
「だから自分で作ってあげたいんです」
CDは確かに「ブツ」であるが、
そのパッケージだったり、
CD表面のデザインだったりは
写真家、グラフィックデザイナー、
印刷屋が
総力を挙げて
作った花嫁衣裳
なのである。
そのように僕は思う。
レコードジャケット、
CDジャケットにはその当時の
風俗、流行り、生きていた時代
が濃縮されている。
それをゴミ箱に捨てるような
意識高い系、
取り組んだ労力をゴミ箱に
捨てるような連中を、
僕は決して信用しない。
いじょ (`・ω・)ゞ