今朝病院に行こうと外に出たら女房が「あら、赤とんぼがいる!」と声を挙げた。 秋は未だというのに気の早いことだと一瞬思った。  「秋」を感じるのは「お盆」を過ぎてからだ。 イギリスは高緯度にあるせいか8月中旬ころから気温が下がり日に日に日没が早く感じた。  今、温暖化のせいか、残暑がきつく8月はまだ夏という感があるが、東北地方ではお盆を過ぎると空が変わりだし、涼しい風が吹き始める。


お盆、盆踊り、、赤とんぼ、、、中秋の名月、、お彼岸、、すすき、、と秋がどんどん近づいてくる。間に台風の襲来、稲刈り、等をはさみながら、紅葉が深まっていくのだ。  子供のころは「中秋の名月」は我が家の一大イベントで、お月様にお供えをするため、お団子を作りススキを集め、縁側に家族一同座りながら「お月見」をしたものだ。お月様にうさぎが本当にいるのか?「かぐや姫」は本当にお月様に行ってしまったのか? 子供心にワクワクしながら大きいお月様を眺めた思い出がある。  「天高く馬肥ゆる」とか「読書」の秋とか言われるが、高い空にすじ雲とかうろこ雲とかを仰ぎ、一面のススキの原っぱで涼しい風が吹き抜ける様(さま)に接っすると、いよいよ秋だ!と感動したものだ。


アメリカやイギリスでは「紅葉」が日本のように「鮮やか!」ではない。四季のメリハリが弱いのか、植生の違いなのか鮮やか、綺麗さに欠ける上に、楓やナナカマドの「赤」がない!。山一面の紅葉!これぞ日本の宝と思う。


リオのオリンピックが始まるが色々心配事があるせいか、遠すぎる地のせいかイマイチの盛り上がりだ。夏の甲子園高校野球ももうすぐ開幕する。  昔イベントも娯楽も少なかった時代、日本の四季の移り変わりそのものを人々は愛でて楽しみとした。空を見上げ、風を感じ、草花の美しさに声を上げ、虫の音に耳を澄ます、、、、そんな「時のすごしかた」もある。

桜を植え育てる人、ホタル復活にかけるひと、アユやマスの遡上を図ろうとする人、綺麗な環境の復活を願う人、、、、日本の美しい「原風景」を忘れてならないと思うし、その維持、復活に献身する方々に頭が下がる。


「美しいものは美しい!」  忙しい浮世ではあっても「風流」をいつも心の横に置いて行こう!

俺たちはみんな日本人なのだから、、、。