リオからの報告では、会場建設の遅れ、ジカ熱の大流行、治安の悪化でオリンピックどころではないという。 南米で初めてのオリンピックと期待されていたのにどうしたのだろう?。
中国を起点とした世界的需要後退で、ブラジルのような資源国はその直撃弾を浴びている。 中国など輸入国は過大な原料と製品の在庫でもう購入は無理。あの好況は、何処かへ行ってしまったのだ。
ブラジル國、州政府は財政難で強盗が多発しているが、給料の無配や遅配で取り締まるどころではないそうだ。 ひどい話で本当?と信じられない気持ちだ。
近年オリンピックは競技数が増え、パラリンピックも年ごとに大規模になり、開催国の負担は大変だと聞く。 世界経済が右肩上がりの時代ならいざ知らず、インフラ含めた投資は、発展の原動力どころか頭痛の種に変わっている。もはやオリンピックが金の卵を産むガチョウではなくなったのだ。
オリンピックへの意識も変化している。東西冷戦の時代、各陣営が優秀さを競い合った頃のモチベーションは薄れ、メダルに執着するのは、今なお「国威発揚」に執着する旧社会主義国家と韓国等のメダルが金になる国家だけだ。 おまけにその手段が「ドーピング」というおぞましい組織ぐるみの犯罪で実現されてきたのが知れ渡った。もうオリンピック競技とその結果が信じられない!という白けた思いが広がっている。
プロ選手は元々名誉より実利だから、参加は迷惑だと思っていたが、ジカ熱と治安悪化という格好の参加拒否の理由が見つかりホットしたというのが正直なところだろう。一方可愛そうなのは国や組織から支援を受けている「今さら参加を断れない」アマチュア中心の選手たちだ。
主催者側は今中止にできないから強行するだろうが、事故が起きて中止になるかもしれない。
リオが最後のオリンピックになるかもしれない。
大きな、人気のあるスポーツは「ワールドカップ」や各種世界大会があり、オリンピックであえて競うという意味を失っている。 金にならない世界的に競技人口の少ないスポーツと障害者スポーツ、いずれはそこが中心のオリンピックが将来の姿ではないのか?と思うのだ。 今のオリンピックはもうアマチュアスポーツの祭典ではなくなっているしそれでいいのだと思う。
東京オリンピックは次の新しいオリンピックの第一歩になるのではないか。 大会関係者はそういう意識をもってオリンピックの「マネージメント」にあたるべきだろう。
無尽蔵に金を費やし、国民と都民に負担させる従来のやり方(「オリンピックを錦の御旗にする」)は時代錯誤だ。
「パラとアマチュアスポーツ」だけの祭典、それがオリンピックのこれからの形だと思う。
質素、倹約、支援、に見合った競技会、それはそれでいいのでは?
競技者が己たちの研鑽だけを競い、国民、市民が心から祝い、見返りは名誉がすべて。
俺はそんなオリンピックを期待している。