芋焼酎が旨い! 今ネットから得られた情報を頼りに、オークションを通じて「ゲット」できた芋焼酎は、まず旨い!、、、十中ハ九の確率で外さない。


所が今まで飲んできた(十数年の)焼酎のまずさ(特に「お湯割り」での)は何故なんだ!?

第一の答えは、俺が昔からの地元の酒屋さんとつきあいがなくスーパーストアでしか芋焼酎を買えなかったことにありそうだ。


あらためて調べてわかってきたことは、美味しい芋焼酎を造ろうとすると、小規模生産が必至といわれる。

全ては原料の芋に起因するみたいだ。さつま芋は傷みやすいので、生産農家の近く(過疎だ)に酒蔵を持たないと良い芋が使えない。次にさつま芋の発酵、熟成は大変難しいので、均一な仕上げを考えると小さな容器(甕)を使って世話を焼きながらの造り方が優位となる。

反応が落ち着いて熟成が進むためには、貯蔵に工夫と期間が必要で、5年が本当は望ましいという。

濾過も、不純物も細かい濾紙で取ってしまえば簡単で、飲みやすいお酒が得られるが、美味しい成分も失う。ここも手間暇かけて行えば美味しい焼酎が出来る(「濾過せず」、「荒濾し」、「うす濁り」、、だ)。


でもこんなことは、利益追求型「企業」ではとてもできない!

そう! みんな、家族経営の酒蔵で造っているのさ!

ただ少量生産だから、古くからの付き合いの酒屋さんにしか供給できず、僕らには回ってこなかった。

たまに回ってきてもとてつもないプレミアがついて、とても手が出なかった。


今は、ついこの間までの、「芋焼酎ブーム」も一段落したし、ネットでのオークションでの値段も下がってきた。そうすると、既存のルートから比較的手ごろな価格で、美味しい芋焼酎が供給される。

やっと俺達にもいい時代になってきた。


しかし考えてみれば、プレミア価格で懐が潤ったのは販売につながる業者ばかり。

美味しい酒を今も造っている酒蔵は、商売の美味しいところは何も取っていない。

酒蔵のプライド、家族の生活、を賭けて(低利で)日々いいものを造ることだけに汗している。。俺の知っている日本酒の蔵元より芋焼酎の酒蔵は小さい。だから酒を飲みながらこれを造った人々に想いを馳せてしまう。


あの人たちに伝わることはないけれど、今日も俺はそんな気持ちをこめて芋焼酎をのむ。

今は飲む時は必ず酒蔵を調べることが習いになった。

想う度、悲しいほどその人々を尊敬する。

旨いな!この酒!