
ギラギラと夏の太陽の下、初訪。
所謂ラー情報では、地味な存在ながら、
根強いファンを持つらしく、気になっていた。
住宅と町工場が混在するエリアの中で、
この一角だけ何故か、海辺のように感じる。
立て掛けられた、いかにも夏らしい“葦簾”が、
サマになり過ぎてるせいかもしれない。
装飾の殆どないシンプルな店内。
ピカピカに磨き上げられた厨房が気持ち良い。
『チャーシュー麺』 をデフォで。
現れたそれは、明るく乙(オツ)なビジュアル。
いかにも、手づくりのアナログな顔。
一杯に張られたスープの様も魅力的だ。
充分に炊き出された、とんこつの滋味。
煮干しを合わせているらしいが、
海系の風味は、敢えて表面に出さず、
このスープの “下支え”に留めている模様。
濃度と塩分が控えめのせいか、
最初、輪郭に欠ける印象を受けるが、
焦点がわかると、完璧なバランスが見えてくる。
やさしい “滋味”に溢れるスープである。
麺は、中太・中加水のやや縮れ。
ソフトな茹で上がりなのに、存在感がある。
スープとのマッチングにも、
しっかりとした意図があるようだ。
表面を覆い尽くすチャー。
薄切りなのに、充分な食べ応え。
良い具合に脂身の入った肉質で、
味付けの塩梅が絶妙!
誰かが絶賛していたが、なるほどと頷ける。
あとは、ガタイのしっかりした大ぶりなメンマ。
パッと載せられた青ネギ。 ...以上である。
ふと気付けば、シンプルな構成。
それなのに、この満足感はいったい何だろう。
賑やかさや派手さやパンチはないけれど、
じっくりと、腰を据えて楽しむに足る、
嬉しい、価値ある一杯である。
(ここだけが海辺の雰囲気)