誰もが口を揃えて、この店の”無愛想”を言い、
<愛想は悪いが味は良い>を堂々自称してる、
なんていう情報もあって、中々足が向かなかった
のだが、果たしてホントにそれほどのものかぃ?
と、ようやく初訪。

夕方6時からの営業、開店直後に到着。
既に常連さんがカウンター奥でとぐろをまく。
が、イチゲンの私も 「らっしゃい!」 と迎え入れる
(あたりまえだが) 至ってフツーの応対だ。
確かに少々の荒っぽい空気を感じるものの、
”下町ノリ” と思えば、別に奇異ではない。

『シナチク・ラー(醤油)』 をデフォでオーダー。

目の前では、
店主が丼の上に覆いかぶさるような姿勢で、
まさに ”一滴入魂” でスープを組み立て、
同時に、”気” を込めて麺を茹で上げる。
その緊張感、「これは間違いない」 と予感。

期待の初口。

これぁ旨いぃ! 初口からノック・アウト!!

鶏(ガラ+もみじ)の風味が強く立つ醤油スープ、
甘辛い濃い口で、輪郭明快。
溢れんばかりにぎゅぎゅーっと詰め込まれた、
そのふくよかさ、奥深さはまさに絶品!
表層を ”熱く”覆う透明な鶏油の層と相まって
深遠な ”照り” を持つ芸術品である。

麺は伝統的な美しい 「細縮れ」。
茹で加減完璧。
余計な調整(固めなど)を頼まないで良かった。

そして-、
丁寧に下処理された細裂きシナチクで覆われる。
このラーに於いてシナチクは”トッピング”にあらず
麺と同次元、同時に味わうもの。
しなやかな歯応えが、麺の満足感を倍加させる。

ラーにして、1,100円(!)という価格も、
ホンモノの ”職人の技” を楽しむ対価としては、
決して高いものではなかろう。

看板に偽りなし。間違いなく名店!
おそるべき店である。



(伝統ラーにしてモダンな外観)