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村松健太郎のお蔵入りブログ

脳梗塞から10年になる映画界隈でうろうろしている
高等遊民のなりそこない兼主夫。
文章を発表する場を得られたものの、事情もあって
お蔵入りになるものも…。
そんな遺棄&生き&行き場所を作りました。
レギュラーはこちら http://cinema.ne.jp/

ゲームを基にした新感覚SFアクション「アサシンクリード」がいよいよ公開される。

主演はマイケル・ファスベンダー。

「マクベス」でもコンビを組んだジャスティン・カーゼル監督と再びコンビを結成。

ヒロインは同じく「マクベス」のマリオン・コティヤール。

これに新アルフレッド、ジェレミー・アイアンズがカギを握る役どころで登場。

象徴的なハリウッドデビュー進出作

アイルランド系ドイツ人(母方の先祖にはアイルランド独立運動の闘士マイケル・コリンズがいる)の

マイケル・ファスベンダーはイギリスでのTVドラマなどを経てザック・スナイダー監督

フランク・ミラー原作のアメリカンコミックの映画化『300 スリーハンドレッド』でハリウッドデビュー

を果たした。 決して大きな役ではなかったものの、彼のその後のフィルモグラフィーを見ていくと、

端的に彼を表す作品と言っていいだろう。

『300』はヘロドトスの「歴史」に記されたペルシア軍の侵攻に対抗するスパルタ軍の勇猛ぶりを描いた

アメリカンコミック(グラフィックノベル)を基にした映画である。

“神話的な歴史的事象を描いたアメリカンコミック”。神話的、寓話的と言っていいもののもないだろう。

神話・寓話の世界を具現化する男

オスカーレースに絡んだ『スティーブ・ジョブズ』、『マクベス』、そして人気アメコミシリーズの集大成

『X-MEN:アポカリプス』。

まるで『300 スリーハンドレッド』の構成要素を三分割したような映画である。 

『スティーブ・ジョブズ』は実在の人物を描いた物語ではあるけれど、スティーブ・ジョブズ本人の

世界的なとらえ方、そして映画での描き方ともにアメリカの歴史上の偉人でIT史おける伝説的な

人物を描いた物語になっている。 

『マクベス』は言わずと知れた世界の演劇史を代表する劇作家シェイクスピアの代表作の映画化である。

X-MEN:アポカリプス』は長い歴史を持つアメリカンコミックシリーズの映画化シリーズの集大成。

これ以前にも『X-MEN』では悲しい過去とX-MENの創設者プロフェッサーXとの愛憎半ばの関係を

持ち、物語の一方の牽引役でもあるマグニートー=エリックを2度演じ。 

『FRANK フランク』では張りぼて人形の巨大のお面をかぶり続けるバンドマンFRANKを演じた。

『SHAME シェイム』ではSEX依存症に苦しむ男が日常を崩壊していくさまを演じた。

そして公開大気中の作品には『エイリアン:コヴナント』では『プロメテウス』に続いて出演。

アメリカンコミック、シュールなコメディドラマ、そして長い歴史の中で神話的に膨れ上がったSFと

神話・寓話的作品が続く。

このような物語は、演じ手のやり方次第では途端に空虚なものになる。

あくまでも架空の物語ではあるもののどこかで我々と地続きの部分を感じさせてくれないと、

一気に物語との距離感を感じ、感情移入がしにくくなる。

これをファスベンダーが演じるとなると、要所要所で地に足をつけて、我々にはない話であると

分かっていながらも、どこか物語の中に自分と重なる部分を感じさせてくれることがある。 

監督のジャスティン・カーゼルはファスベンダーの出演がなければ映画の撮影自体がなかったかもしれな

かったと語っているが、それは彼のこれまでの出演作品とその成功の度合いを見ていけば、納得のコメント

である。

  相手役を『エディット・ピアフ』『ミッドナイト・イン・パリ』『ダークナイト ライジング』と、

どこかファスベンダーのフィルモグラフィーと重なる部分のあるマリオン・コティヤールが演じているの

も良い。 

いま、ヒット映画のキーワードに“脳の中”というものがあると思う。

ケビン・コスナー、トミー・リー・ジョーンズ、ゲイリー・オールドマンという『JFK』トリオが

再結集した『クリミナル2人の記憶を持つ男』も同様だろう。

シリーズ化も視野に入れている『アサシンクリード』。新たな寓話の扉が開く。