2020年6月2日
主治医から紹介を受けたH病院緩和ケア科へ。
名誉院長先生による2回目の定期診察を受けました。

主治医の意向で今回から薬は全て、この病院で処方されることになりました。

名誉院長先生は、主人に何が1番辛いかを聞きました。
主人の答えはもちろん「身体の痛み」。

「オキシコドンを飲んでもおさまらず、オキノームを1日10包くらい飲んでいます。胸はずーんとした痛み、背中は凝ったような痛み。脇腹はズキっとした痛み。1カ所治ったと思うと、また別の場所が痛み出してしまって、、、」

これまで主治医から指示のあった医療麻薬の量は
○オキシコドン 5mg×10カプセル(1日分)
○オキノーム  10mg(痛みのある時)
この量を飲んでも、思ったほどの効果が得られませんでした。

ひと通りの問診を終えた先生は
「痛みのコントロールがうまく行ってないですね。外来だと少しずつ増える痛みには対応できても、このような波のある痛みを抑えるのは難しい。手っ取り早い解決法は、1〜2週間入院して飲み薬を1度注射に切り替え、どの程度の量なら痛みをコントロールできるのか毎日細かく調べることです。そして退院後は飲み薬に戻す。ご主人にはこの方法がいいかと思いますがいかがですか?」

そんな方法があるんだを初めて知りました。
主人ももちろん快諾。

入院日が決まるまでの間、つなぎとしてオキシコドンはオキシコンチンという名前でさらに量を増やすことになりました。

○オキシコンチン40mg×2カプセル(1日)

1カプセルで40mgが摂取できる、オキシコドンと同成分のオキシコンチンを朝晩1つずつ飲み、それでも痛みが治らなければ、とんぷく的にオキノーム(10mg)を服用して、入院までの間はとりあえず様子を見ることに。

やっぱりこの日も元気ハツラツな名誉院長先生。
話しているだけでも私はとても元気がもらえました。



2020年6月4日
今日はいつもの病院で主治医の診察日。
前回主人が希望したので、病院では一応抗がん剤・ナブパクリタキセルを用意してくれていました。
緩和ケア科の診察から2日、オキシコンチン40mgが効いたのか、主人の体調は一時期よりマシに。

短かった睡眠時間は、痛みがおさまり始めたことで、昼夜問わず少し長くなりました。
それにともない食事の量も少し増えました。
体重は80.1kg。こちらも少し増量です。

せっかく介護用ベッドをレンタルしたのに、少し痛みが取れたことで、主人はいまだに私手作りのリクライニング布団で過ごす毎日(^_^;)
1階のリビングには、立派なリクライニングベッドがデーンと置かれ、寂しそうに主人が寝てくれるのを待っています。

主治医から抗がん剤はどうしますか?と聞かれた主人。
「H病院で痛みを取るための入院を優先したいので、抗がん剤は退院後に考えたいです」
と答えました。

やはり主人の中では、抗がん剤による治療も諦められないということ。

もし今の体力で本当に抗がん剤を点滴したら、身体が悲鳴を上げるだろうと想像しますが、それでも主人は頑なでした。

主治医はいつになく優しい口調で
「今は痛みの緩和を優先することが大事だと思います」
と話し、主人の意思を尊重して退院しているであろう3週間後に診察日を設定、また抗がん剤の予定を入れてくれました。

ロビーでは「こんにちは!」と主人担当のソーシャルワーカーさんがニコニコ顔で話しかけてくれました。
浜松の長男からは、ちょっぴり早めの父の日のプレゼントとして、主人が大好きな高級メロン・肥後グリーンが届きました。
岡山の親友はとても綺麗な字でしたためた手紙で、私をずっと励まし続けてくれます。
被災犬が縁で知り合ったご夫妻は、私の気持ちを察していつも自宅へ招いて話を聞いてくれます。
私の友人知人からは、主人の体調に合わせた心のこもった贈り物が。
故郷の後輩は、さりげないインコの話で私の気持ちを癒してくれます。
私の勤務先の社長は、自身も怪我をして大変な状況にかかわらず、主人の心配をしてくれます。
職場の上司や同僚は、私のためにいつでも休めるようバックアップして支えてくれてます。

私が以前お世話になっていた接骨院の先生から
「ご主人をずっと支えて頑張ってきたから、神さまから最期の時間を与えてもらってるんですよ。一緒に楽しいことをして過ごしてください」
と素敵な言葉を掛けてもらいました。

そしてこのブログにも、お会いしたことのない皆さんからたくさん励ましのコメントをいただいて感謝しかありません。

周りの人みんなに助けられて、私たち夫婦は幸せだなぁと思います。

さて、主人のH病院への入院が来週9日に決まりました。

余命を聞いた時はショックだった私ですが、今はそれは考えないように、主人との時間を大切にしています。

とにかく主人には毎日苦痛なく過ごしてほしい。
それが私の今のたった1つの希望です。