月想記  - あきゅの妄想 -

月想記  - あきゅの妄想 -

詩の世界と向き合い、こころ奥底に潜む自我の解放と錯綜を綴ります。
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先に逝った左脚や

右の耳の余韻は

また零れて消えて無くなる


もう有る事の無い

毛むくな温もりや

潤んだフィリアは

掃き損じた枯葉と共に

土煙となり消えるのだろう


明日の陽でまた

右脚で水を汲み

左の耳で唸り聲を諳んじる

いつもの平穏が望ましい


きょうもお疲れ様

寝苦しくて目が覚める
湿った青いシーツでもがくうつ伏せ
もう朝かと時計に目をやる

午前1時30分。

肩がぐっしょり汗ばんでいて
シャツを着替えて外へ飛び出す
永遠につづく黄色の点滅信号と
涼しい風に導かれて歩く
バスの通らない時間のバス通り

午前1時47分。

煌々と照らされるコンビニへと
吸い寄せられる嫌われ者の蛾は
鱗粉をまき散らしつつ明日を
考えて失望してムラムラして

ラガービールと木綿豆腐
四つ切のトーストと低脂肪乳
焼いたプリンはやめよう
思い出すから今度にしよう

午前1時59分。

豆腐に出来合いのポン酢
ラガーとパット・メセニー
寝静まった街にひとりは
いざなって買い被ってメランコリック

最近では冷たいムグンファは咲き
今宵は静かになに想う
天空は途絶えず動き水は流れてあさって
海へと空へと消えて忘れる

午前2時32分。

窓のそとはあした
ベッドはきのうのまんま
目を閉じてうつ伏せになる


ちいさな傘と 濡れた安靴は

月夜に輝いて本望ならば



ガチャリ カチャリ

扉の鍵 こゝろの鍵を

解き放ち我を想う



忘れたはずの朱の幻想は

一瞬灯って やがて

久遠の闇が支配するのだろう



玩ばれた花弁と

血に染まったこゝろが

蝶に踏みつけられて本望ならば



ぐっさり 腐り

淫の香 命の香を

解き放ち君を憂う



やがて

音も色も月の光さえとどかない

深い土のしたで眠る

無死(むし)の声のように



いまや

ポラリスも運命さえもわからない

茂みの上で呼吸(いき)る

父母のいびきのように



ただ蒼く蕾を頑なに鎖したまま

蝶を拒んであしたに

枯れて萎れて帰るのなら



ガチャリ カチャリ

扉の鍵 こゝろの鍵を

解き放て あるがままに