いつも文句を言いながらも稽古に付き合ってくれていた同級生の田井陽介に
尼崎の公園での稽古中、ある質問をしてみた・・・
『俺って天才なんかな?』
ムチャクチャ同期は多いのに、一番年下の私が誰よりも強くて、
目標通りに飛び級をして
先に入門していた先輩の筈だった、同じ青帯の連中にターゲットにされているが、格闘技エリートや、今までの格闘技では満足できない人間が集まった大道塾大阪支部で、目立ち過ぎている私だが、そんな人間達を返り討ちにしている。
だから、こんな質問を田井にしたのだが・・・
田井陽介の答えは・・・
『かさいは、センスはあるけど
あくまでもセンスのある人で、天才ではないと思う。
天才って、極真の松井章圭みたいな選手のことを言うんやと思う。』
ハッキリと田井陽介は言った。
この瞬間、
『俺が天才ではないんやったら、その天才を努力で絶対に超える。
並ぶんじゃなくて、絶対に超える。
北斗旗の無差別チャンピオンは、極真の天才世界チャンピオンよりの絶対に上!!
それを俺が証明する!!
俺は天才やないんやから。
努力は才能を超える
好きは不可能を可能にする!!
俺は無差別チャンピオンになるんやから』
その事をこの日に誓う。
田井陽介との付き合いは、私が1991年中量級で優勝するまで続く。
田井の何気ない一言が歴史をかえた。
田井陽介は、今は何してるんやろ?
今、あったら心から礼を言いたい、本当に感謝している。
私の恩人の一人だった。
次回・・・1995年の話57~さらば北川先輩の巻~