私が中級から上級に進んだ頃、峯岸昭夫先輩の下に、北川先輩と言う茶帯の寮生の先輩が関西本部にやってきた。
当時の関西本部には茶帯以上の通いの道場生は
黒帯が原さんと言う、昔の東孝先生の弟子だというビジネスマンクラスと、
一般部には清川という茶帯の短い道着を着た『うしろの百太郎』
みたいな人しかいなかった。
入門以来、参加可能なクラスにはすべて参加していた私は凄い出席率だった。
塾生証には出席したらハンコが押されるのだが・・・
初級稽古に参加したら・・・『初』
中級稽古に参加したら・・・『中』
上級稽古に参加したら・・・『上』
一般部に上がると
サンドバックの日に出席したら・・・『サ』
移動稽古に参加したら・・・『移』
自主トレに参加したら・・・『自』
のハンコが押される。
北川先輩が関西本部に来るまでは木曜日が休みだったが・・
クラスが変更されて
月曜日・・・基本稽古→サンドバック(初級)
火曜日・・・基本稽古→移動稽古→約束組手(中級)
水曜日・・・基本稽古→自主トレ(初級)
木曜日・・・基本→サンドバック(初級)
金曜日・・・ビジネスマンクラス(上級)
土曜日・・・基本稽古→約手→スパーリング(初級)
日曜日・・・週替わりで、サンドの日(初級)移動稽古(中級)自主トレ(上級)
になった。
三月の私の塾生証はハンコで真っ赤だった。
この前まで初級だった私が、北川先輩からしたらイキナリ上級に参加しているので
『まだ上級には参加できないよね?』と、声を掛けられたりした。
ハンコを数えて北川先輩は凄く驚いていた。
逆に上級に進んでいるのに、規定の15回の参加を過ぎても、まだ初級稽古に参加する私に、峯岸昭夫先輩も北川先輩も
『お前、なんでまだ初級に出ているの?』と、聞かれましたが・・・
『より自分の技を完全にしたのです。』の、答えに呆れられました。
そんな、たった一人の道場生の入門が、関西本部を更にかえるのである・・・
つづく・・・
次回・・・バタフライエフェクトの巻②