わちゃわちゃしてます。

わちゃわちゃしてるだけです(笑)



ではでは。




※※※※※※※※※※※※※※※※




ここでいいと言うから、その場に久我を降ろして車を出した。
智くんは助手席に戻ってて、何も無かったように外を見てる。

「智さん。」

「へっ?」

「俺、これから尊敬の気持ちを込めて智さんって呼ぶわ。」

「なにそれ(笑)やめてよ(笑)」

「だってさ、ナニあのキス。どんだけ場数踏んでるの?ってキスじゃん。」

「そっ、そんな事ないよ!なに言ってんの翔ちゃん。」

チラリと横を見ると、真っ赤になってる智くんがいる。さっきのアレが普通に出来てなんで今赤くなる必要があるんだろう。

「いやいや、謙虚にならないで下さいよ智さん。キスの後にあんな言葉を久我に浴びせて、あれで場馴れしてないなんて言ったら嘘になりますよ。」

そーだ、オマケに頭やらほっぺやら触ってさ。どこのホストかと思ったわ。

「ちょ、マジでやめてよ、恥ずかしいじゃん///  あれはちょっと友達の真似をしただけ。」

「どんな友達だよ(笑)」

「んー、俺翔ちゃんのじいちゃんと出会ったのニューヨークだっただろ?」

そう言って智くんは向こうでの話をしてくれた。





♢♢♢♢♢♢♢♢

「でさ、智くんはお姉さんの渡米がキッカケで自分の実力を試すべく一緒に渡米し、オーディションを受けて自分たちの劇場を持ってるチームに所属する事が出来たんだって。」

所変わって嵐粧堂リビング。
俺は昨日の智くんの武勇伝と嵐粧堂に入る前の軌跡を皆に話していた。

「へー、あの人ダンス出来るんですか。」
ニノが意外そうに言う。

「俺知ってたもんね~♪」
雅紀が得意げに続けた。

「そのチームのナンバー1だった人が男女問わずすんごいモテる人だったらしくて。その人が寄ってくる女を宥める時に使ってたのが、智くんが昨日久我にしたやつなんだってさ。」

「どんなんどんなん?」

さっき既に1回やってるのに、雅紀が面白がって聞いてくる。

「濃厚チューの後に『いい子だから困らせるなよ?』で頭とホッペをポンポンナデナデ。」

ニノを代役にして智くんの真似をする。

「「きゃー♪」」

ニノと雅紀がニヤけてのたうち回ってるいる横で
潤が何か考えるように眉間にシワを寄せていた。

どうした?と聞こうとしたら

「なになに~?何か楽しそ~♪」

智さんがやってきた。

「あっ!智さん‼︎お疲れ様っす!」
「あっ!智さんご苦労様ですっ!」

ニノと雅紀が直立して敬礼する。

「へっ?なに?まだ完成してないよ?」

今日は朝からアトリエに籠ってたから、それを労ってくれたのかと勘違いしている智くんに

「今度俺にも決めゼリフ教えて下さいっ!」
「俺は直々にチューを伝授して欲しいっす!」

なんて2人が言うもんだから。

「ちゅー?……なんのは……あぁーーーっ‼︎翔ちゃんっ‼︎話したのぉっ⁈」

真っ赤になって叫ぶ智くん(笑)

「いや、だってー、かっこよかったんだもん。」

「だもんじゃねーよ‼︎バカかっ!」

真っ赤になってプリプリ怒る智くんを3人で茶化したり宥めたりしていたら、眉間にシワを寄せてた潤がやっと口を開いた。

「つーかさ、ニューヨークにいたって……おーのさん英語喋れるの?」

そんな事で悩んどったんかい。

「え?俺が喋れるわけないじゃん(笑)」

えー⁈喋れないのっ?2年も居たのにっ?

「だよねぇ?どうしてたの?」

「ねーちゃんの家に住んでたし、チームの中に日本人もいたから特に困らなかったよ?」

いやいやいや…普通それだけじゃ無理だろ。

「はいはいはーい!俺も質問。」

「はいっ、二宮くん。」

「何で久我ってやつにチューしたの?」

笑ってた顔が一瞬にして引き攣った。
「はぁ?いや、だってご褒美はそれがいいって言うから…」

「じゃなくてさ。ご褒美あげたのは踊ってるの手伝ってもらったからでしょ?でさ、手伝ってって言った時にはもうご褒美ちょーだいって言われてたわけじゃん。手伝ってもらわずに踊ろうとは思わなかったの?」

あぁ、とニノを見ると人差し指で鼻をかきながら智くんが話し始めた。

「んー、斎藤?だっけ、あいつに手伝わせた方が仲間感が出るかなと思って。」

「仲間?」

「あいつあのままだと印象悪すぎじゃん。だから最初からヤラセですよ~ってみんなに思ってもらわないとって。」

「なんで……?あいつの自業自得じゃね?」

つい俺も口を挟んだ。どうして智くんがその日初めて会った、俺に罵声を浴びせてた奴を庇うのか理解できない。

「んー、何となく?翔ちゃんの知り合いに見えたし。翔ちゃんの顔見たら困ってはいたけどあいつの事大っ嫌いって感じはしなかったから。敵じゃなくて翔ちゃんの知ってる奴なら放っておかないほうがいいかなっと。」


…………マジか。


驚いて、つい智くんを凝視してしまった。
普段ボーーっとしてる時には全然わからない観察眼の鋭さ。俺らが大事だから、その周りにいる奴らも大事にしようとする考え方。
この人は確かに斎藤に怒ってたのに、その斎藤までも守ろうとしたんだ。


「おーちゃん好きっ‼︎」
雅紀が智くんに飛びついた。

「信じらんないお人好しですね。」
ニノが笑う。

「俺には無理だわ」
潤が降参とばかりに両手を上げる。

「んふふ、何だかわかんないけど、褒められてる気がする♪」

「褒めてあげたからごほーびちょうだいっ♪」
ニノが唇を突き出した。
「あ、俺もちょーだい♪」
「じゃあ俺も♪」
「え、なら俺も♪」
次々に唇を突き出した。

「やらんわっ‼︎」