加悦鉄道ハ10号とは、加悦鉄道が開業時に新製した客車です。

 

「概要」

 

加悦鉄道開業時に製造されたオリジナル車ですが、どこかのキャンセル品だと思われます。

 

加悦鉄道唯一の大きな車体を持つ客車で、明かり窓の付いた二重屋根が特徴です。

当車は二等(現グリーン車)と三等(現普通車)に分かれていましたが、加悦にはグリーン車は設定されませんでした。

 

戦中、このグリーン車の部分は、戦争で亡くなった兵隊の遺骨を迎える、英霊室として使われました。

仕切りは1964年になって、取り外されたと言います。

1969年まで使用されました。

 

廃線後の1995年に復元工事が行われ、現役時に取り外された、仕切りを再現されました。

「主要諸元」

 

製造年 1926年11月

車体長 12m

自重  13t

定員  78名 (内座席46名)

 

「車体」

↑三等車の車内。           ↑二等車の車内。

 

車内は二等・三等ともにロングシートで、屋根はダブルルーフ(二重屋根)で、天井には明り取りの小窓が並んでいます。

窓の3個分のところに仕切りがあります。

仕切りは1995年の修理の時に再現されたもので、仕切り扉には二等の文字が入った、すりガラスとなっています。

 

また背もたれは二等がモケット、三等の背もたれは木と異なります。

さらに二等と三等室ではつり革の有無も、もう一つの違いです。

あとドアノブは製造当初の物を使っていて、今も機能しています。

「加悦鉄道での活躍」

 

長らく加悦鉄道で活躍し、最後までブレーキ装置は付けられませんでした。

1969年に元東急のサハ3104号に場を譲り、休車となりました。

 

「加悦SL広場閉園後」

 

閉園後の動機はわかりませんので、わかり次第お伝えします。