私は報告書を読み終わった。
「...............」
( ºωº )チーン…
さっきまで原始人みたいになっていた私のテンションはガタ落ちだ。
「あと、CD-ROMの中身を私のパソコンでも見れますがご覧になりますか?」
「はい........」
そこには、女のアパートから出て来て、鍵を自分で閉めて車に向かう旦那が映っていた。
画像は荒いが、動き方でわかる。
間違いなく旦那だ。
しかも、
合鍵持ってんのかい.........
「.......いかがでしたか??」
「.........まず、調査が空振りしなかったのは、
すごくホッとしました」
「私も、正直いって、すごい賭けの依頼をしてきたなぁと思ってました(笑)
気持ちを無下にしてはいけないと思って、止めはしませんでしたが。」
「はい(笑)
でも、 報告書と映像で、
不倫は確定...という事はよくわかりました。
自分で望んだ調査ですが、はっきり結果が
出てしまうのはキツイですね」
「追い討ちをかけるようで申し訳ないですが、調査員によれば、女のアパート駐車場に車を停める際は迷ったりせず、慣れた様子で停めたそうです。
.......おそらく、かなりの頻度で通ってるかと。」
「私のつけてた旦那の行動記録でもそんな感じでした。」
「では、間違いなく週1回なんかではなくもっと女の家に通ってますね。
ショックを受けているところ、申し訳ないですが、今後のことも早く決めないといけません。
あなたも子供さん2人抱えておひとりでがんばられてたら、身体が持たないはず。
どうしたいですか?」
「再構築とか離婚とかは、まだ頭が回りません。
それに、決めるとしても、やっぱり女と話をしてから決めたいです。
ただ!
どちらにしても、
2人に罰を与えたいです!!
絶対に!
なぁなぁにして泣き寝入りは
したくない!!」
「よし!!そうですよ!
私も不倫は許せません!放っておいちゃいけない!」
この探偵さんからは、本気の熱意を感じる。
「.......それで、以前お話したように、結果を受けて、オプションでカウンセリングを行う事が出来ます。
相談や折衝、必要に応じて調査も行って、あなたの勝ち取りたい結果が得られるまでお付き合いします。
金額は......410,400円です。
いかが致しますか??」
私は既に決めていた。
「お願いします!」
私は、こんなお金をポンポン出せるほど裕福な訳では無い。
本当なら、自分で全部始末つけたい。
でも、小さな子供を2人抱え、Iターン組で親も近くにおらず、頼れる人が思いつかないような現状では、前に進む為にお金の力に頼らざるを得ないと思った。
大金を賭けに近いことに使うにはもちろん抵抗はあった。
でも、動かなきゃ何も変わらない。
危険だと思っても、私は飛び込む。
そうでもしないと勝てない勝負だ。