ため息ばかりつきながら出勤する夫。

あいかわらず、毎日毎日パワハラ上司(婆さん)は、物を床に叩きつけながら怒鳴りまくる。

ふと夫は気づいた。
パワハラ上司が夫に怒鳴りまくっても、未亡人は盾にはなってくれていない。

未亡人がドアを力任せに閉めたり蹴ったりして怒っている時は、パワハラ上司が訳の分からない指示を出した時だ。

夫は、夫に向けられたパワハラを、夫のために未亡人が怒るかと期待していた。
懐いたら、仲間なら、そうしてくれると。
(パワハラ上司は未亡人を恐れていて、未亡人には怒鳴り散らさない。)

未亡人は自分が気に食わない事だけに、あからさまな怒りを表現していた。


未亡人は、毎日毎日、根掘り葉掘り色んな事を聞いてくる。
そして必ず悪口と飲みに誘う。


ある時、いつものように根掘り葉掘り聞いては、変わった受け取り方をし私の悪口を言っていた。
(夫は聞かれたら何でも話してしまうけど、褒めること貶す事も嘘をつくこともできない)

そして、
「何でそんな人と一緒にいるの?」

「離婚しなよ」

未亡人はその日から、毎日
「離婚しなよ」
「まだ離婚しないの?」

と、私がいかにろくでもない妻で、頭がおかしい妻かを話し、夫に離婚を勧めた。

未亡人が、なぜ私がおかしいかと決めつけている理由は、
夫を飲みに行かせてあげないから。

夫は、お酒が飲めないのと、飲みの場が嫌い(無理矢理お酒を勧められる)なのと、 
たちの悪い酔っ払いから振り回された嫌な印象が強いから。
(お山の大将女と姑)
飲み会を断る理由は“私”ではない。

 正直な夫は、それを未亡人に言っていたが、未亡人は
「絶対楽しいから!」
と聞き入れてくれず、
何故か私が行かせないようにしていると思い込んでいた。


飲み会を断るたびに、私と娘の悪口や悪く思うよう印象付ける言葉がエスカレートしていった。

「離婚しなよ!」
もムキになって言っていた。

 パワハラ上司のパワハラと未亡人のしつこさに、夫はぐったりしていった。