71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活 

紫苑 著  2022年8月初版

 

 

71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活

 

 

フリーランスでシングルマザー 2人の子供を育てあげ 一人暮らしをされている紫苑さん。

「ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫」というブログをコロナ禍の69歳で始められたそう。(それまでは10年ほど着物ブログを)

 

 

P33

 節約とは一円でも安いお店を探すことでも、ティッシュや洗剤の量を減らすことでも、安ければいいと体に良くない食べ物を摂ることでもないんですね。

 節約とは限りあるお金をどんなふうに「遣う」かを考え抜く知的な行為なんですね。

 

P35

 節約はお金を遣わない、ただ一つの、誰とも競争する必要がないのに自分の力が発揮できる、楽しい「お金の稼ぎ方」ではないでしょうか。

 

 

 

紫苑さん、読書家でいろんな本から情報を取り出し、即実践。プチプラ生活(食費は月1万円)を始めてからの方が明らかに健康になった、と安価で栄養のある食材や調理法がいくつも紹介されていました。


 

あとは服のリメイク。服と布が相当お好きなようで、ワンピースをスカートにしたり襟や袖を付け替えたり、、。それが苦でなければ(いや、むしろ楽しんでできるのであれば)更に時間に余裕のある人ならプチプラ生活にも拍車がかかりますよねぇ。。

 

 

 

P185

 年を忘れることは、ともすれば「年甲斐もなく」とか「若作り」などと言われることもあります。それらの言葉は褒め言葉と思うことにして、少なくとも今は年を取ったとおもわないままに過ごせる毎日に感謝したいと思います。

 この先体の不調は増え、それに伴い心も重くなっていくのは自然なことです。それでも「年を取ったな」とは思わず、まずは不調の原因を探し、手当てできるところは手当する。そのようにして年を重ねていきたいと思っています。

 

P216

自分軸」とは心理学でよく使われる用語です。

「自分はどうしたいのか」を第一にしていろんな物事を行うことです。周りの人の意向より自分の気持ちを大事にするということでしょうか。少し前に『嫌われる勇気』という本がベストセラーになりましたが、本の趣旨は「人から好かれたいために自分を相手に合わせるな」「嫌われてもいいから自分を大切にしろ」ということでしょうか。

 私は「嫌われる勇気」があるわけでもなく、むしろ周りの人の評価が気になり、図々しくも、できれば好かれたい方です。それに今の私は「評価される」どころか「これまで何をしていたの?」「年金の知識が全くないのね」と馬鹿にされても仕方がない状態です。

 それなのに「自分軸がある」などと褒め言葉をいただく。それは「嫌われる」とか「好かれたい」という以上に、「それしか方法がない」「他の人のことを考えていたら生きていけない」というあっけないほどの理由からです。

 

P218

 どんな人でも責められ続けると、自分はダメな人間だと思うようになります。自分で自分を責め続けることはいつも「あなたはダメ人間だ」と言い続けるようなものです。後悔とは過去の自分を責めることかもしれません

 そうならないためには、もう周りのことを考えずに「自分勝手」に、いえ「自分軸」でいくしかありません。

 少ない年金で暮らしている多くの方が「自分はダメだ」と自分を貶め、気力を無くしていると言います。いえ、年金だけの話ではないですね。年収が少ない、故に自分は価値がない、事業に失敗した、だから自分は能力がないとこれまた自暴自棄に陥っている人のなんと多いことか。

 少ない年金で生活しているのは恥ずかしいことではありません。恥ずかしいのは「過去」の私です。でも、それを今の私が「恥ずかしい」と思っても何もならない。それなら「今できること」をやるしかない。日々百円ご飯を作り、少しは楽しみたいとリメイクしているうちに、それ自体が楽しくなってきました。

 厳しい時代に入り、「節約」は今や多くの人がやらなければならない日々の行いになっています。「節約」の小技も大切ですが、なぜそこまでやるのか、その目的をしっかり掴んでいないと嫌になる、月々たくさんもらっている人を羨む気持ちが出てくるのではないでしょうか。

 死ぬまで続く年金生活です。人は人、自分は自分と「自分軸」をしっかり持つことはこんな厳しい時代だからこそ大切だと思います。

 

P220

「思考は現実化する」を読み、まず始めたのは、寝る前に「願い事」や「こうありたい自分」を思い描くことです。眠りに入る前の脳は現実と夢との区別が曖昧で、その時に脳に送ったイメージや言葉「問題」を、眠っている間に解決しようとしたり現実化しようとフル回転するそうです。〜〜中略〜〜

 見えなかったモノが、あるきっかけで見えてくることはよくあります。興味を持つと人の脳はそちらに向けてグッと動き出すようです。

 「それは「思考は現実化する」第一歩なのかもしれません。

 

 

 

作品内で紹介されていた本

藤川徳美先生の『うつ消しごはん』 

牧田善二先生の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』

ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』