司法修習まで1時間弱あったのでササっと書くことにしました。

 

主に論文についての話題となりますが、試験本番で合格点を取るにあたって必要な「論文力」は以下の3つのレベルに分けられるのではないかと思います。

 

①すべての科目に共通する、およそ論文試験全般で必要な答案作成力、表現力

②科目ごとの特徴に合わせた起案形式、型に沿った記述力

③事案ごと、論点ごとに臨機応変、個別具体的に思考プロセスを伝える表現力

 

要は①全科目共通、②科目ごとの特性、③ケースバイケースという3つのレベルに応じた起案力が必要なのではないかという考えです。

 

言うまでもありませんが、①~③のすべてのレベルでの論述力を磨くことは重要です。そして、その中でもとりわけ①の能力をおろそかにせず研鑽することが大事だと思っています。

私が現在行っている添削も、この①を重視しています。

 

さて、表題との関係ですが、すべての問題を余すことなく検討しつくすことができれば、最強なのは当然のことです。

ですが、時間的制約、出題範囲の広範さなどから、「完璧主義」を貫徹することはほぼ不可能に近いです。

そのため、「何をどの程度やりこむか」という受験戦略が必要となってくるわけですが、この戦略の取り方で合格のしやすさが変わってきてしまっているのも事実であると思います。

 

何回か述べていますが、合格への近道は徹底的に過去問を検討することです。

かといって、過去問自体も現在は相当数蓄積されているため、すべての過去問を同程度に検討、起案する余裕もなかなかありません。

そこで、選択と集中の考え方を生かしつつ、繰り返し「書く」べき問題と、検討はするけど繰り返し書くことはしない「解く」べき問題を分けると良いかと思います。

 

先ほども述べたように論文で一番大事な能力は①の全科目共通の書き方、考え方という、法律知識というよりは国語力に分類できそうな能力だと思っています。

そして、この能力は「たくさんの問題を起案する」よりも「同じ問題を繰り返し起案する」こと、「広く浅く」よりも「狭く深く」取り組む方が確実に身につきます。

最近の出題傾向をみれば、どの科目でも直近3年の問題が今後の出題傾向にあっていると思いますので、この平成30年~令和2年の3年分の過去問を繰り返し起案することをお勧めします。

 

要はたくさん起案すればいいというものではない、ということです。数多くの問題を起案するよりは、ひとつひとつの起案を徹底的によりよいものへと仕上げていく執着心があった方が良いのではないかと思います。

多くの問題を起案して添削を受けても、この①の能力が身につかないことには数をこなすメリットが薄れてしまうように思うんですよね。

いわんや時間を計って書いた起案をや。

(時間を計った答案についてはまた後日。。。)

 

もちろん、過去問自体はなるべく多く検討した方がいいことには間違いないですけどね。

そのような意味で「解く」べき問題と「書く」べき問題をある程度区別しましょう、というお話です。

通算100通起案していない自分でも合格できていますので、量より質であることは間違いないです。

その質の向上のために、上手に合格者さんたちの添削サービスや個別指導を利用してみてください。