トッカータとフーガ | 楽しく!クラシック音楽入門!

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頭の上にトイプードル。そう、大バッハ先生である。当時はかつらを被ることがブームであり、みんな当たり前の話だったのだが、今見てもだいぶ印象的だなぁ。


 
さぁ、今日はバッハについてお話しよう。ドイツのアイゼナハに生まれ、宮廷音楽家として生活したんだ。
 
宮廷音楽家というのは、文字通り宮廷(その国の偉い人)のお抱えの音楽家で、お城や宮殿などで、主に神に捧げる音楽を作る人や演奏する人のこと。
バッハは先祖代々熱心なキリスト教徒だったこともあって、キリスト今日に関する曲を沢山作ってる。
 
でも当時の神様向けの音楽はちょっと単調で、あまり感情を揺さぶるような音楽性では無かったんだ。そこに音楽性を加えたのが、大バッハ先生である。
 
大バッハ、と呼ばれるのは、バッハ一族は代々音楽家の家系で、先祖も子供達もみんな音楽家として活躍したんだ。
 
なので現代のバッハ研究家の皆様はかなり大変。そりゃそうだよね、同じ苗字の人が沢山作曲してるんだから、当時の資料も限られているし、「バッハ」と書かれていてもどのバッハなのかという論議はいっぱい行われて、今もどこかでやってるだろう。
 
 
ちなみにバッハ、日本語に訳すと「小川」という意味になり、小川さん。大量の小川さん。もう海である。
 
 
 
 
まぁやっぱり負けず劣らず変人で、喧嘩っ早い人だったみたい。本人も悪いのだけれど…(笑)
 
ある時は貴族と喧嘩して禁固刑を食らったり(つまりバッハは前科一犯)、給料が少ないと教会と争ったり、まぁ気難しい人だったようだ。
 
 
ある時、教会からお許しをもらって4週間の休暇を取り、ブクステフーデというオルガニストの演奏を聴きに旅立った。
徒歩である。その距離なんと400km!
東京から行くと滋賀とかそこら辺。やばい。行くだけで疲れる。というか死ぬ。当時20歳だとしてもすごい。僕はこの前5キロ歩いたら足がつりました。
 
 
これまでに聴いたことのないブクステフーデの音楽性たっぷりのオルガン演奏を聴き、めちゃくちゃ感動したんでしょうね。
 
彼、3ヶ月以上そこに留まります。休み4週間なのに。
 
当然帰ってきたバッハは非難轟々。
バッハは逆ギレして退職をします。困ったもんだ・・・
 
そんなバッハ、性格とは似合わず静かで美しい曲をたくさん作った。でも今日紹介するのはわりとバッハの曲の中でも激しい曲。その名も「トッカータとフーガ」。

 

 

この動画に出てくるでっかいモノ。これがパイプオルガン。楽器である。
昔「楽器で殴ったらどれが一番強いか」みたいな話題があったけど、殴れるか殴れないかは別として、間違いなく一番殺傷能力が高いのはこの楽器。
 
二段の鍵盤、そしてたくさん突き出ているストップ、というものを駆使しながら演奏する。しかも忘れちゃいけない、足にも鍵盤があるのだ。こんな楽器を演奏する人はIQが普通の人より一桁多いに違いない(当社比)。
 
バッハはブクステフーデが演奏するオルガンを聴いて、オルガンの可能性を追求していった。
 
「トッカータ」というのは、即興的な音楽という意味で、当時のオルガン奏者は即興で音楽をする能力も必要だったんだ。アドリブがあるのはジャズだけじゃないぞ。
でももちろん、この「トッカータとフーガ」は楽譜に書いてあるわけで、本当のトッカータではない。「トッカータ風」というのが正しいかもしれない。
 
じゃあ「フーガ」とはどういう意味なのか。単純に言えば「追いかけっこ」である。
多分だれでも「カエルの歌」を一回は歌ったことがあるだろう。同じメロディが違うところで追いかけっこしながら曲が作られる。バッハのは相当複雑だが、基本的な構造はそんな感じになっている。
 
この8分でオルガンの魅力をとことん味わえる、お得な一曲だ。是非何度でも聴いていただきたい。
 
 
 
 
いや〜、それにしてもこんな曲を作るバッハはさぞかしずっと有名だったんだろうなって?
 
実は、そんなことはない。バッハが亡くなってからは急激に忘れ去られる存在となった。あのバッハが、である。
 
 
しかしそこから約100年後、ある作曲家によって市民権を得て、今の地位に返り咲いた。本当に立派な作曲家だと僕は思うし、バッハがいなかったらモーツァルトもベートーヴェンもあそこまで音楽で有名に慣れていないかもしれないことを考えると、本当にフェリックス・メンデルスゾーンがした功績は大きいと思う。
 
さて次回はそんな作曲家、おぼっちゃまコンポーザー、フェリックス・メンデルスゾーンに登場してもらおうと思う。
 
それでは、また〜