ショパンの中でも、音色がフランスものに近い。
フランスものに近い音色で弾くと、しっくりくる。
作品番号が若く、みずみずしさが溢れている。
でも、左の響きは常に憂いを湛えていて、
そこはかとなく空虚感が漂っている。
この複雑な感じが、難しくもあり、でも美しく、
この人間らしい感情の吐露を表現したいと思わせる。
ショパンの魅力は、この人間らしさなのだろうか、
と思う。
もがき苦しんだり、逃避する感じ、しかし本質的な光が
見え隠れし、表出したがっている。
誰もが持っている、いいえ本当はそのものである光を
輝かせるために、いろいろな体験を通して磨かれてゆく。
そういう、全てに共通する事柄が内存されている。
だからこんなにも感銘を与えるのだろう。
そして愛される。
愛するものがあるということは、とても幸せだ。
Satoko.O