1号です。
昨日、「赤ちゃんが泣くのはお母さんと遊びたいから」という投稿をあるSNSで目にしました。
でもそれは、根拠のない呪いの言葉です。
そもそも赤ちゃんが泣く理由は○○!と断言する情報には気をつけた方がよいです。
「親だから泣きやませられる」なんて言葉も根拠はありません。
泣きやまないときは何やっても泣きやみません!
赤ちゃんは生後3~4か月くらいをピークに、特に理由がなくても泣く「たそがれ泣き」と、
2才すぎ(3才くらいまでのことも)くらいまで続く夜泣きがあります。
もちろん空腹とか、オムツが濡れているなどの生理的不快感で泣くことも多いので、
まずはそれらを確認します。
中にはぐったりしていたり、哺乳が悪いこともありますが、
その場合には病院への受診が必要です。
でも中には、
元気なんだけど
何をやっても泣きやまない、なんてこともあります。
多くの保護者の皆さんは、途方に暮れてしまいますよね。
色々試したのに、
気づけないのは
親として失格なんじゃないか、
なんて悩む方もいるかもしれません。
そんな皆さんにお伝えしたいのは、
「赤ちゃんは泣きやまないことがあるとあらかじめ知っておく」
ことです。
そして、
「夜泣きの原因を追及しすぎない」こと。
実は原因がよく分からないことも多いです。
だからどうか、
「泣きやませられない自分は親失格なんじゃないか」
なんて自分を追い込まないでください。
でも、インスタで#夜泣き と検索すると13万件もヒットします。
それだけみんな悩んでいるんですよね。
赤ちゃんが泣いたときの対処法をまとめると、ポイントは6つです。
(1)赤ちゃんが泣いたときにするべきルーチンを一通り行う
(2)もし、病院を受診すべきサインがあれば病院に相談する
(3)なだめるテクニックを使う
(4)1~3までやって泣き止まないときはそれ以上原因追及しない。
(5)親自身のフラストレーションのケアを行う
(6)絶対に揺さぶらない
アメリカ小児科学会は、(3)のなだめるテクニックとして次の対応を紹介しています。
(米国小児科学会のウェブサイトから抜粋)
目新しいテクニックではありませんが、ひととおり試すのはありかと思います。
-腕の中で優しくゆりかごのように揺らす
-おくるみで包む
-歌ったり話しかける
-優しい音楽を流す
-抱っこしたりベビーカーで歩く
-車に乗せる(必ずチャイルドシートに固定する)
-ゲップをさせる
-リズミカルな音や振動を聞かせる。
-温かいお風呂に入れる
そして「ひととおり対策しても泣きやまないときの一番よい方法」
として紹介しているのは・・・
「赤ちゃんから離れること」!
本当に?離れても大丈夫なの?と思われるかも知れません。
次のようなルールでやってみましょう。
安全なところに赤ちゃんを仰向けに寝かせ、
目の届く範囲のところで10~15分くらい休憩しましょう。
泣いている赤ちゃんから離れてお茶を飲んだり、電話で話したりして、一休みしてもOK。
それでも赤ちゃんは大丈夫です。リフレッシュできればまた向き合う気力も出てきます。
小さな赤ちゃんであっても、大人が思っている以上に周囲の緊張に敏感です。
それに反応するために泣いてしまいます。
保護者がリラックスしているほど、
赤ちゃんを落ち着けやすくなります。
保護者へのカウンセリングは赤ちゃんの夜泣き対応に有効だったという報告は
いくつもあります(Pediatrics 1994, 94 (3) 333-334)
ある研究では、保護者にカウンセリングを施したところ、
赤ちゃんが泣く時間が1日2.6時間から0.8時間に減少したとしています(Pediatrics.1984;74(6):998.)。
別の研究では、保護者に夜泣きについての知識をつけてもらうことで、
夜泣きに関する救急外来への受診数が3割減ったとしています。
(J Dev Behav Pediatr. 2015;36(4):252-7. )
結局のところ、夜泣きの対処法をまとめると、
「夜泣きについて知ること」
と
「親自身のフラストレーションのケア」
だと思います。
そこで、対処方法を一枚にまとめてみました。
読みにくい方はこちらからPDFデータでダウンロード可です。
少しでも多くの保護者の皆さんのお役に立てればと思います。