25年目の「明日」〜Rhymester @ Zepp Nagoya | おしえて兄さんのアイドルと音楽と[ブログ]

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4人組ガールズユニット TEAM SHACHI をメインに、いろいろと。音楽も好き。

ぐうの音も出ない……。

どうやったらここまでの強度を保ちうるのか?

25年もの長きに渡って?





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Rhymester(ライムスター)。

ジャパニーズヒップホップ・グループ。

宇多丸、Mummy-D、DJ JINの三人組。

1989年(!)結成。



詳しくはコチラ


最新インタビュー:「3人のちょうどいいバランス感」



宇多丸師匠も言っていたけど、この四半世紀(!)に渡って第一線で活躍するグループは、
日本はおろかUSにもいません。

それはライブのクオリティにも証されている。

とにかく盛り上げ方が非常に上手く、堂に入っている。

なにを客が求めているのかをしっかり把握し、期待通りの、いや期待以上の
パフォーマンスでそれに応える。

シリアスでタイトな楽曲もお手の物だ。




しかしそれだけではなくて。

メロウな曲でじっくり聴かせるワザも近年は手に入れている。

それは音色だけにとどまらない。
しっかりとリリック(歌詞)も作り込まれてるからこそ観客も耳を傾けることができるのだろう。

つまり、内容を伴い実のあるトピックを取り上げるセンス・力量。

フレッシュな曲作りが新鮮なライブパフォーマンスに結びついている。


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以前から頭が下がるのが、Rhymesterというグループの頭の良さだ。

年齢を重ねるにつれ、どのように振る舞えばいいかよくわかっている。

そしてそれは常に(ノスタルジーに陥りがちな)ファンの一歩先を行っている。

今回のライブも、ベストアルバムのリリースツアーでありながら、
これからの「未来」を強烈に感じさせる素晴らしいものだった。




[動画]Zepp Nagoya前待機列


整理番号A377番。

列で数えるとおおよそ8列目、センターからやや上手寄り。

上手の宇多丸推しだからね\(^o^)/


Tシャツ&タオルはコレ。

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8年前のものとかマジかよ(O O )シロメ

2007年、武道館公演を持って活動休止した時は
「あ、ライムス、オワタw」
と正直思った。

しかしここまで見事に復活するとは!
(ちなみにワタクシこの武道館DVDにちょろっと映ってますw)


活動再開後の三枚のアルバムはどれも評価が高いし、
フェスでは(多くの場合)唯一のヒップホップアクトでありながら
クラウドをロックすることができる。

「対外試合に滅法強い」ってこたあ
「ホンモノ」ってことだあね(●´ω`●)

メンバー自身も言うように、売り上げ、動員力ともに
かつてより増えているというモンスターグループなのです。

これはメディア露出およびネームバリューの浸透により、
厳然たる事実と言ってよいだろう。


そして最年長の宇多丸師匠は45歳!
インテリで物腰は柔らか…を通り越して「卑屈」なぐらいなのに
ステージングは「ハーコー」、そのギャップも魅力。

今日も一曲目が終わる頃にはスキンヘッドが汗でテカテカでした\(^o^)/

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宇多さん(*´Д`*)ハアハア


DさんJINさんは相変わらず、男前!
そしてそれぞれのスキルも磨きがかかっていた。





ライブを見るのは2年振りかな?

緩急のつけ方が巧みになったな、というのが今回の大きな印象。

先にも書いたけれど、ゆるやかな曲調に耳を傾けさせる豊かな時間を設ける。
これはやはり年輪を重ねた今だからこそできることだろう。
そしてそれは、ヒップホップではとても難しいことなのかもしれない。

キーボードのSWING-Oを招いて歌われた4・5曲は、
メロウネスと(楽器の)グルーヴを兼ね備えた美しく聞き応えのあるものだった。




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やった曲もほとんどが再活動後の曲だったなあ。

それでも全然満足できるの!
いかに充実した作品を復活後に作ってきたかが分かり、あらためて感服した。

声も安定していて、バッチリ歌詞が聞き取れるしね♪

DJブース頭上のカメラによるスクラッチ解説も、新しくてよかった。

煽りのメリハリ、引き際押し際、すべてが気持ち良く、曲の並びにも戸惑うことがない。
観客のコントロールはもはやお手の物なのだろう。

そういえばロック系のライブ十年以上行ってない気がする…今日みたい盛り上がってたかな?

とにかく、2時間跳ね続けて、手を振り続けて、叫び続けた。
それはやはりヒップホップ特有のもの…なのかな(●´ω`●)

つまり、汗グッショリ。





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ゆるーい、というかくだらないMCもいつも通り。
やはり喋りのうまさも長く活動するに当たって重要なことなんだろうね(^^)

「集計クン」や「グッズ通販VTR」など、笑いのクオリティは相変わらずw

「ONCE AGAIN」や「ラストヴァース」でバチっと盛り上げながらも、くだらないことをする。
この落差が逆に、信頼を増すのです(^^)


【以下、細々メモ】

・舞台幕に映像を投影し超かっこいいオープニング
・2m四方のボードを複数使った映像投影。イマジネイティブ!
・タマフル(ラジオ番組)風の茶番
・「マキくんに届くように、さ・わ・げーーーー‼︎‼︎」
・KOHHやANARCHY、RYUZOがかかっている開演前BGM
・アンコールの代わりに「帰りたーくないっ」コール
・ 「皆さんが明日上司を殴らなくて済む曲」


アンコール後の曲はなんと新曲2曲!
いかにRhymesterが未来を志向しているかが分かる。

意欲的で、しかも新しい。
彼らにしか歌えない、強烈な個性を持った曲。

特に後輩KREVAをプロデュースに迎えた曲は、まあへんちくりんなものw
中毒性が高く、ハマったらきっと抜け出せない魅力を持つことだろう。

ベストアルバムを出して一区切り、
かと思いきやすぐに「新たな一手」を出してくる。

けして停滞しないその堂々とした歩みは、なんとも頼もしい。
ほんとかっけーよ!


そんなこんなで最後の曲。
観客含めライブハウスの中の人間全員で
「余計なお世話だバカヤロウ!!!」と叫んで大団円。
(曲を知らないとなんのことやら、ですねw)

かっこよく終わらずに、しっかりとオチをつけて、
だけれどもスカッと胸のすくエンディングの迎え方に感銘を受けました。





ぼくが日本語ラップに惹かれてからもう10年ぐらい経つのかな?
あの頃から全く変わらない。

常に面白く、かっこよく、新しく、王道で、かつ異端で、歩みを止めない。

こんなグループ他にいないです。


「日本語ラップ最後の希望」?


……まさか。

新しい才能はどんどん生まれています。
ただ、外へ打って出るグループ/MCは極めて少ないというのは事実。

願わくばこのRhymesterのように、多くの人に聴かれ愛される
ヒップホップアクトが増えればな、と思います。





今回一番心に残ったのが、
キーボードのSWING-O氏を迎えて奏でられた「It's a New Day」。




飾らない「日常」を穏やかに、だけれども清新な情感でラップしてゆくその手腕は、
まさに新しいヒップホップの表現というものを体現していました。

新たな言葉と旋律が、そしてビートが未来の一日を描く。
予感させる。

普通の人=「エブリデイ・ピープル」にも届きうる作品とパフォーマンスに、
ヒップホップの「輝かしい明日」を見ました。


25年を駆け抜けた三人組が、これからどこまで行くのか、追いかけ続けねばならない。


二時間ハンズアップし続けたせいの肩コリをほぐしながら、そんなことを考えました。




And You Don’t Stop !!!







ライムスター
The King Of Stage vol.11
" The R " Release Tour 2014
@Zepp Nagoya
18:00-20:20



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こちらもどうぞ:
「KREVAとヒップホップと、日本人」