僕は街を出ていつも右側に向かう。

ある程度進んだ双方に崖が見える場所でカメと戦うのが僕のお気に入りだった。
今日もいつもの様に街を出る。

そこで思った。

いつもの反対側、左側はどうなっているのだろう?

思い立った時には左側に走り始めていた。

いつもとは違う風景に心がけ弾む。

ある程度走ると海が見えてきた。

そこは切り立った崖で、落ちたら死ぬだろう。

ゲームなので、実際は見えない壁があって絶対に落ちないようになっている。

崖の端まで行き下を見てみる。

現実世界の僕の行動と同じだ。

崖が危ないとわかっていても、何故か覗きたくなる。
海は静かに波打っていた。

崖にそって走ってみる。

見たことないモンスターがいた。

ゴブリンだ。

ファイナルファンタジーの代表的なザコだ。

ドラクエで言ったらスライムだ。

ファイナルファンタジー4のゴブリンパンチが懐かしい。

僕はおもむろにゴブリンを調べる。

楽な相手。

戦闘開始。

ゴブリンが杖を振り上げる
なにやら僕を変な光が包み込み行動不能になった。

あれ?魔法。

魔法使いなのか?

楽なハチやミミズならば一発で倒せる僕が、苦戦している。

結局魔法が解け、辛くも勝利した。

その後気づいたのだが、ゴブリンにも戦士や魔法使いがいるようだ。

ファイナルファンタジー11のゴブリンは強い。

そう思った。

ゴブリンとの戦いの後僕は崖の先に灯台を発見した。
迷わず灯台に向かう。

なにがあるのだろうとわくわくする。

灯台に侵入すると中に古代のエレベーターのようなものとレバーがあった。

レバーはなにをやっても動かなかった。

灯台の謎を残し家に帰った。


いつもの反対側への旅は子供の頃、いつもより少し遠くに行った時の感覚に似ていた。

いつもの遊び場の先にある川の上流、歩き疲れた先でいつもの二倍はあるケムシを見つけたり、
学校で禁止されていた用水池にあったトンネルに入って、結局なにもなかった思い出がよみがえった。

テレビゲームに郷愁を感じるとは思わなかった。

バーチャル世代のなせるわざである。