中学生の時。





地元の町民グラウンドで、毎年夏祭りが開催されていまして、
というのも、テキ屋の兄ちゃんが屋台出すような祭りでなく、地元民がボランティア的な感じで出店するやつ。





そこに私も姉と行ったんですが、
卒業して高校生になった元テニス部の先輩が、金魚掬いの出店してまして。





なんかもう全然金魚掬いとかやりたくなかったんですけど、
金魚をね、あのペラい和紙的なもので持ち上げてゲットするっつーあれ、ね。





まず自信なくて、変にプライド高くてね。





かっこわりーとこ見せらんねー!やりたくねー!っつって、マゴマゴしてたら姉がやる気満々。





しかしそこは姉妹。
姉も私も金魚掬い経験なし。





モチベーションの違いはありましたが、いざ、和紙入水。





私はね、まさかのしゃぶしゃぶ。
和紙でしゃぶしゃぶ。和紙入水させたまま金魚追ってんの。
当然和紙の方も予想外のアクティブさについていけず、開始5秒でお亡くなりになった。





5秒で試合終了。
なんならアップの時間のが長かった。
金魚、無傷の勝利。なんなら不戦勝といっても過言ではない。





さて、姉はどうかなっと、敗れた(破れた)和紙を足の間で挟み隠し、横目で様子見た。





善戦の上、姉も敗北。
姉は声がデカイんで、
「あーーー!」とか「やばーーい!」とか実況にはまるで向いてない叫び声をあげながらコトに及んでいたのでまぁ予想通り。
余談だが、姉の音量は常識を逸したタイミングで上限越えてくるんで、たまに恥ずかしい。
シダックスのマイク音量55相当くらいでてる。
(わかりにくい?)





まぁそんなこんなで姉妹揃って先輩の前で醜態晒したわけですが、
そこで先輩から運命の一言。





「柄の部分でもやれるならやっていいよ。」





できねぇ。





即答ですよ。愚問。愚問中の愚問。





姉「ほんとですかぁー?!やってみます。」


やるんかい!





で、やったら、できた。
これ本当に。





でもですね、和紙がくっついてたプラスチックの、輪っかの部分をね、金魚の腹に添えて猛スピードで持ち上げるっつー力技なんですけど。





金魚の方もね、あれですよ。輪っかに耐えうる腹の持ち主でないとね、いけないわけですよ。
となると、あーん金魚一匹もすくえなかったー!えーん!とかやってる可愛いあの子が屋台のおじさんにオマケでもらうような小魚フォルムの金魚じゃ無理なわけです。






それなりのね、重厚感ある、芸能界でいうと渡辺謙的な、漫画でいうところの静かなるドン的な。
数々の水槽のボスの座を欲しいままにしてきたような金魚をね、次々に取皿に移していくわけです。私の姉が。





和紙なんかより100倍手際いい。
なんならそういうルールだったんじゃないか、ってくらいの。





通算11匹目の出目金たちを掬い終わった頃、先輩が、


「もうやめて…」
つった。


もう取皿もね、満員。超満員。





姉もね、心なしか誇らしげな感じで、今日はこのくらいにしといてやっか、ってな具合に、しっかりその金魚持って帰りました。





家帰って水槽にいれた金魚たちは所狭しと、ほんと文字通り所狭しと泳いでました。





そんなミラクルな姉がほんと好きです。