ジーパーズ・クリーパーズ
ダニーとトリッシュ姉弟は、実家へ帰省すべく田舎道を車で走っていた。
車通りは極端に少なく、道中1台のキャンピングカーを追い越しただけ。
すると後方から暴走トラックに襲われる。道を譲ろうとするものの、あわや衝突しそうになりながらやっとのことでトラックをやり過ごす。
怖い思いをした2人は、かつての事件を思い出す。高校生2人が行方不明になり、車は見つかったものの未だ2人は見つかっていない。頭を切られて殺されたらしい、という噂話。20数年前ということもあり、酔って運転するなという教訓話だろうとあまり本気にはしなかった。
しばらく道なりに行くと、例の暴走トラックが駐車された廃教会が見える。
1人の男がトラックの荷台からなにかを降ろしている。袋に入れられ、血が滲んでいるように見える。男は袋を無造作に大きなパイプへと放り込んだ。
ダニーとトリッシュは唖然としながらその光景を見つめる。只事ではない雰囲気に、ジェリーは携帯で警察へ連絡しようとするが、バッテリーが切れている。姉弟で問答している間に、再び暴走トラックが背後から迫る。
今度は後ろから煽るだけでは済まず、後部へ激突される。叫びながら脇道へ逸れると、暴走トラックは先へと行ってしまった。
町まで行って警察へ連絡すべきというトリッシュと、戻って袋の中身を早急に確かめるべきだというダニー。絶対に譲らないトリッシュだったが、ダニーの袋の中身が自分なら?という問いに廃教会へ戻ることを決意する。
教会の庭にあるパイプから、ダニーは中へ声をかける。誰かいないか?声がする気がする!とパイプの中へ身を乗り出す。足を押さえていたトリッシュだったが、ネズミに驚き暴れるダニーの足を離してしまう。
パイプの底へと転落したダニーだったが、そこには知りたがっていた。袋が横たわっていた。試しに声をかけてみるが反応がない。しかし間違いなく死体だ。とんでもないものを発見してしまったところに、突然死体袋から手が伸びる。腕を掴まれて仰天したものの、慌てて顔の布を引きちぎると、中身は青年だった。
何かを伝えようと口を動かしているが、何を言っているのかわからない。口の動きはRUN(逃げろ)と言っているようだ。
青年は胸のあたりを気にしている。胸の布も剥がすと、胸部が切られ、紐で縫われていた。
ダニーが驚くと、青年はそのまま絶命してしまった。
出口を探すべく、パイプの底を歩き回っていると、薬品や何かがたくさん置かれている。
懐中電灯で周囲を照らすと、そこは死体の山だった。
ふと、2つの死体に気がつく。
首が胴体と切り離され、再度縫い付けられており、男女の死体は手をしっかり繋いでいる。そしてその指には高校の校章リングがはめられていた。
あのかつての事件は噂話ではなく、本当だったのだ。
一方、ダニーを助けようと外で他の車が通らないか待っていたトリッシュ。
そこへ突然パイプの底から抜け出したダニーが戻ってくる。何も喋らないダニー。
何を見たの?話して。というトリッシュ。
ダニーはぽつりと、高校生の首は本当に切り離されていたよ、犯人はその首をどうしたと思う?また縫いつけたんだ。と話す。
ガソリンスタンドに到着した2人は、急いで警察へと連絡する。
するとガソリンスタンドの電話が鳴る。電話口の女性はダニーのことを一方的に知っているようで、危険が迫っていると警告する。
ジーパーズクリーパーズ、この歌が聞こえてきたら危険が迫っている、と伝えるが、ダニーは本気にしない。
警察がやってきて真実を語ったものの、あまりの突飛な話に半信半疑の様子。
トリッシュでさえダニーの話を全面的に信用していない。
するとガソリンスタンドの店主が、外の車が大変なことになっている、と2人に伝える。
急いで外に出ると、後部座席に積んでいた洗濯物が地面に散乱している。
目撃していた人によると、男が洗濯物の匂いを嗅ぎ、満足そうにしていた、と。
ダニーは洗濯物を拾いながら、教会に入ったことがバレたんだ、おまけに洗濯物に書いてあった名前までバレた、と怒る。
しかし車のドアノブに残された指紋のようなものを発見。
警官2人の護衛の元、実家への道を走ることとなる。
すると後ろを走っていたパトカーに無線が入る。教会へ向かった別の警官によると、教会は燃えており、とても近づかない、その姉弟は放火魔かもしれない、と。
怪訝そうにする警官2人の乗ったパトカーの天井から、変な音がする。
天井になにかいる?助手席の警官が窓から天井をみると、男が立っていた。そのまま警官は引きずり出され、運転席にいた警官は首を切り飛ばされる。
飛ばされた首が前を走っていた2人の車のボンネットへ落ちると。2台の車は急停車。
パトカーの異様な様子に、トリッシュは車を降りて声を掛ける。運転席に誰かいる?パトカーに近寄ったところで、飛ばされた首が地面に落ちているのを発見してしまう。慌てて車へ戻るトリッシュ。
パトカーの運転席から降りてきた男は、首を拾い、舌を抜き取った。
叫びながら車を急発進させる2人。
あまりの恐怖に猛スピードで車を走らせるトリッシュに、少しスピードを落とすんだ、とダニーが忠告する。急停車するジェリー。
車の横には一軒の家が。
電話を借りるために訪ねていくと、老婆が多数の猫と暮らしていた。
電話はない、と断られると、連れがもう1人いるのかい?と訪ねられる。振り返ると畑に立つあの男が。
驚く2人の背後から老婆が猟銃を持って近寄り、畑から出ていくよう警告する。
警告に従わないため発砲するが、家の中に入り込んだ男。一緒に逃げようと姉弟が説得するも、猫から離れろ、と老婆は家に入っていってしまう。
2度の発砲音。老婆のシルエットがみえている。ダニーが大丈夫ですか?と声をかけると苦しそうな老婆の声。
老婆の後ろからあの男が現れる。その顔は化け物そのものだった。老婆を背後から一突きにしている。
慌てて車に乗り込む2人の前に男が立ち塞がる。トリッシュはそのまま車を発進し、男を轢き、バックしては戻り、何度も繰り返し轢き続ける。ダニーに止められ、2人は動かなくなった男を見つめる。男の背から羽が飛び出し、2.3度羽ばたこうとして絶命したようだった。
警察署へ移動した2人。両親へ電話をかけ、帰宅が遅れていることを詫びる。一刻も早くこの街から離れよう、と話していると1人の女性が声をかけてくる。
何故か2人の名前を知っており、ダニーのタトゥーの柄や道中に何が起きたのかを言い当てる。何故知っているんだ?ととの問いに、私も夢で同じものを見たもの。と答える。
警察はイカれた自称霊能者だと追い払おうとするが、女性は必死に話を続ける。
私が霊能者だと信じなくてもいいが、危険が迫っていると訴えた。
あの男は死んだはずだと答えるが、人間に見えるあれは怪物なのだという。
23年に1度、23日の間あの怪物は人間を食べ続ける。気に入った人間の特定の部位を食べ、その部位を自分のものとするのだ。
たしかに轢き殺し動かなくなったところを見た、と言うと、それでも死なないくらいたくさんの心臓を食べたのだという。
女性は予知夢の中で、姉弟のどちらかが暗闇の中で絶叫しているのを見たと話した。怪物はどちらがお気に入りか確かめにここにやってくるという。
突然の停電。地下の留置所で警察が点呼をとっていると、奥の方で妙な物音がする。
あの怪物が牢を破り、留置所の人々を襲っている。轢かれたことで受けたダメージを食べることで回復していた。
警察が銃で応戦する。地下からの無線で地上階にも緊急事態が知らされる。
地下から上がる階段に配備される警官たち。
突如現れた怪物は警官に襲いかかりながら、姉弟が逃げた上階へと足を進める。
上階では逃げ道を探していた姉弟だったが、怪物に捕まり匂いを嗅がれる。
ダニーに狙いを定めた怪物はトリッシュを床に投げ捨てる。武装した警官たちが上階に駆けつけるが、怪物はダニーを離さない。トリッシュは必死に自分が身代わりになるから連れて行って欲しい、ダニーを離すように懇願するが怪物はダニーを抱えたまま飛び去ってしまう。
残されたトリッシュは霊能者の女性へ夢が外れることはないのか、と問う。
女性は私はイカれた霊能者よ、とだけ答えた。
一方廃屋には怪物の後ろ姿が。
付近にはタトゥーの入った男性が。ダニーのようだが、その眼球はくり抜かれ、怪物の目にダニーの瞳が移っていた。
感想
結局この怪物が何故こんなことをするのか経緯は全然分からない。でもまぁよし。
日本に住んでるからか、海外でありがちな周囲に街がない田舎道を何十キロもボロ車で走り続けるシチュエーションが謎。いやほんとにありがちなんだけど。
簡単に助けを呼べないんだからまともな手段で帰宅しないと怪物に出会わなくてもヤバいだろ、思ってしまう。車もボロいしケータイも使えないけど殺人鬼のアジトには忍び込むよ!って王道ホラー。
グロ表現はそんなになかったかなぁという印象。怪物の顔が暗闇から浮かび上がり、中盤でようやく顔が拝めるのはなかなかよかった。
でもラストの方では服とかも着ずに暴れ回ってて、なんで今まで服とか帽子とか被って人間ぶってたのか謎。